最新車を発表するたび、自動車メーカーは機能性や世界観を訴求する様々な映像を発表します。車と並走したり追い抜いたりするダイナミックなカメラワークを見て、「どうやって撮影をしているのだろう?」と疑問に思うことはありませんか? それが高速で走るスーパーカーとなれば尚更のこと。日産は、エアロダイナミクスやエンジンなどを改良した「GT-R NISMO(ニスモ)」2020年モデルの撮影現場の裏側を、公式YouTubeチャンネルに公開しました。
GT-Rを撮影するならGT-Rで、高い走行性を重視
撮影を担当したのは、車両のアクションシーンの専門ドライバーで、映画・テレビ番組のコーディネーターとしても知られるマウロ・カロ氏。撮影はドイツ・ブランデンブルク州にあるサーキット「ユーロスピードウェイ・ラウジッツ」で行われました。
車の走行シーンの撮影は、車外に撮影機材を装備したカメラカーと呼ばれる特殊車両を使用します。今回、カロ氏と日産は、GT-R NISMOをサーキットで撮影するためにもう1台のGT-Rを用意しました。通常、このような撮影で使うカメラカーは、高性能なSUVが多いのですが、GT-R NISMOのスピードに合わせられる高い走行性能は同じGT-Rの他にはありません。撮影スタッフ全員が座れるシートがあったことも、選定理由の一つになりました。また、カロ氏は以前から写真や動画撮影のためにGT-Rを運転したことがあり、それがどんなに素晴らしい車か知っていたともいいます。
GT-Rのカメラカーは、ボディ部品を外し、シャシにアルミニウムを溶接してポールを取り付け、カメラやリモートヘッド「flight head mini」、「Go Pro」の360度カメラといったプロ仕様の機材をたくさん装着できるように改造しています。車体をマットなブラックに塗装しているのは、撮影時の映り込みや反射を避けるためです。カメラカーには運転を担当するカロ氏のほか、カメラマン、レンズのピントを調節する「フォーカスプラー」、映像ディレクターの計4人が乗車しました。
撮影が終わった今、GT-Rのカメラカーがどうなるかは不明ですが、おそらくカロ氏と彼のチームが別の自動車関連コンテンツを制作する際にまた使用されることでしょう。カロ氏は、最新のGT-R NISMOについていける唯一のこのカメラカーを「まさにモンスターです」と称賛しています。
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