メルセデスAMG EVコンセプト「ビジョンAMG」を発表、2025年に量産化も

メルセデスAMGがEVコンセプト「Vision AMG(ビジョンAMG)」を発表しました。メルセデスAMGのCEOであるPhilip Schiemer(フィリップ・シーメル)氏は。「AMGは自己改革をしています。ビジョンAMGはブランドの美しさと非凡の相互作用という両極性を見事に体現しています。」と語っています。

ビジョンAMGは、「Vision EQXX」を彷彿とさせる滑らかでしなやかなボディ形状。Vision EQXX(ビジョン EQXX)といえば、今年初めにメルセデスベンツの開発部門があるドイツのジンデルフィゲンからフランスのカシスまでを1回のフル充電で走行し、記録を塗り替えたことも記憶に新しいでしょう。「未来の電動化に向けて、私たちは高いハードルを設定しました。」とシーマーは付け加えました。メルセデスはビジョン EQXXコンセプトを「リサーチ車両」あるいは「動く実験室」と呼んでいますが、ビジョン AMGはそれ以上は単なる実験的な存在を超えたコンセプトカーと言えるでしょう。

ガソリンから電気へ

メルセデスAMGのパフォーマンス部門が高出力のガソリンエンジンからハイブリッドやマイルドハイブリッドを搭載した低排気量エンジンへとダウンサイジングしていることは周知の事実です。例えば、新型AMG C63 Sには、4.0リットルのツインターボエンジンに代わり2.0リットルの4気筒ターボエンジンとマイルドハイブリッドパワートレインが搭載される予定です。チューニングメーカーのマンハートが手がけた「CR700」は、V型8気筒ツインターボを搭載した最後の「C 63 S」の一つです。

今回発表されたビジョンAMGは、スタイルやブランドの特徴である「AMGドライビングエクペリエンス」を犠牲にすることなくゼロエミッションの未来像を描いています。メルセデスの子会社であるYASAが開発した革新的な軸流モーターを搭載しています。軸流モーターはビジョンEQXXでも採用されましたが、ビジョンAMGのモーターは、従来よりも小型・軽量で、より大きなパワーを生み出すそうです。メルセデスAMGは、モーターの出力、バッテリーのサイズ、航続距離の数値には言及しませんでしたが、ビジョンAMGのドライブトレインは、新しい高性能高電圧バッテリーや「革新的な駆動技術」を含め、「完全にゼロから開発される」とメルセデスAMGは述べています。

息をのむほど美しいスタイリング

メルセデスAMGがビジョン AMGで目指したのは「モノリシック(一枚岩のよう)な彫刻」であり、そのため継ぎ目とシャットラインを極力避けたデザインとなっています。全体が一枚の金属から生まれたように見せることに最大限こだわり、リアウィンドウとサイドウィンドウにはボディと同じアルビームシルバーの塗装が施されています。メルセデス・ベンツ グループのチーフデザインオフィサーであるGordon Wagener(ゴードン・ワグネル)氏は、「コントラストの効いたモダンな表面処理と過激なプロポーションにより、Vision EQXXをベースに、パフォーマンスラグジュアリーに向けてさらに前進した次のデザインステップを披露しています。」と述べています。

短いフロントオーバハング、前方に配置されたスピードを感じさせるAピラー、空力的に最適化された長めのリアオーバーハングは、メルセデスAMGのデザイン言語である「Sensual Purity(官能的な純粋さ)」を明確に表現しています。ルーフはリアに向かってデリケートなラインを描き、自動的に上下するリアスポイラーを採用し、ダウンフォースの向上とドラッグの低減に貢献しています。

レーシングにインスパイアされた細部

ビジョン AMGの目を引くシルエットはもちろんですが、ボディのディテールも着目ポイントです。メルセデスAMGが「星形ライティングシグネチャー」と称する、スリーポインテッド・スターを変形させた3つのライトで構成されるヘッドランプがユニークなフロントマスク。中央寄りのヘッドライトバーはヘッドランプグリル上部に水平に施されたライトバーと一体化。グリルはパナメリカーナ形状を模したデザインで、縦型のLEDライトが配置されています。

リアのスタイリングはビジョン EQXXを彷彿とさせつつ、ブラックで仕上げたリアディフューザーの上には、ジェット戦闘機のアフターバーナーの様な丸いテールライトが配置されています。シルバーのボディにグリーンのアクセントを施し、メルセデスAMGペトロナスF1チームへのオマージュを捧げています。その他、エアロクラッディングを備えた22インチのホイールや、露出されたカーボンファイバーなど、ユニークなディテールを装備。

ビジョン AMGはフル電動EVのために開発されたAMG.EAプラットフォームを採用。今回コンセプトとして発表されたビジョンAMGですが、量産モデルは2025年までにデビューすると見みられています。

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