VW オフロード車ブランド「スカウト」をEVブランドとして復活

フォルクスワーゲン(VW)がオフロード車ブランド「Scout(スカウト)」を電気自動車(EV)ブランドとして米国で復活させると発表しました。この計画はVW情報筋が米メディアのTechCrunchとThe Washington Postに伝え、後にVWがTwitterで公表したものです。VWはScoutブランドを立ち上げ、新会社として米国で事業を展開する計画で、同社は、スカウトが「米国の顧客のために、米国で設計、エンジニアリング、製造される」と公表しています。

VWは北米のEV市場での存在を拡大するため、積極的な投資を行っており、すでに71億ドル(約9,170億円)を投じて米国工場を建設し、VWの象徴である ワーゲンバスを現代的にアップデートした「ID.Buzz」の米国版を製造します( Nasdaq) 。

VWは米国セグメントを注視しており、EVピックアップ、トラック、SUVの需要が高まっていることに着目。米国でのEVの人気具合は、生産開始前に完売した名車復刻モデルのフォードF-150ライトニング、速攻で完売したとされるGMCハマーEV(ロイター通信による)、2021年に125万台を超える予約注文されたテスラのサイバートラック(Inside EVsによる)などでも顕著です。また、新興EVメーカーのリビアンは、需要に追いつくのに苦労しながらも、ますます人気を高めています。VW CEOのHerbert Diess(ヘルベルト・ディース)氏は、「電動化は、今、グループとして非常に魅力的なピックアップとR-SUVのセグメントに参入する歴史的な機会を提供し、米国市場に関連するプレーヤーになるという我々の野心を強調しています」と述べています。

スカウトの歴史と未来

VWがスカウトをVWブランドとして展開せず、スカウトブランドとして復活させるのはなぜか?その理由はスカウトの歴史と、その名前が持つ魅力にあると考えられます。

スカウトは、米国の農場や建設、トラック、さらには米軍車両などの機械のパイオニアでありリーダー的存在である農業会社インターナショナル・ハーベスターにより製造され、四輪駆動、素朴で頑丈な外観、削ぎ落とした内装、ターボチャージャー付きV8エンジンを搭載したバージョンなど、パワフルなエンジンが特徴でした。スカウトは1960年代から1980年代まで生産され、ジープ・ウィリスやフォード・ブロンコといった、名車と人気を競い、HIConsumptionによると、累計50万台以上のスカウトが生産されたそうです。

スカウトブランドの復活は、2021年にVWのJohan De Nysschen(ヨハン・デ・ナイシェン)氏が報道陣にその構想を語っており、この時ナイシェン氏は、VWが同社のトラック部門を通じてスカウトの名称の権利を所有していることを明かしました。VWは、I D.Buzzと同様のアプローチでスカウトに復刻取り掛かり、元祖スカウトのデザイン要素を取り入れつつ進化させたデザイン、パワーと航続距離を最大限に高めたパワートレインを搭載し、インテリアはモダンで豪華、そして最新のテクノロジーが詰まった一台になるとみられます。

復刻スカウトの最初のモデルは、2023年にプロトタイプの公開、2026年に生産開始を計画しています。The Washington Postによると、VWは最低でも年間25万台のスクート車の販売を見込んでいるそうです。

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