ハンズフリー運転支援システムは多くの人が思っているよりずっと前から存在していましたが、消費者レベルで実用的になったのは近年のことです。最初のリリースから5年が経過したキャデラックの運転支援システム「Super Cruise(スーパークルーズ)」、この度、待望のアップデートが行われることが発表されました。キャデラックは今夏、このアップデートを一部のモデルに配布予定です。このアップデートの最大の注目点はハンズフリー運転支援技術です。3つの現行モデルで利用可能になるSuper Cruiseのアップデートですが、すべてのモデルで同じ機能が使える様になるというわけではありません。
2017年にキャデラックCT6で発売されたとき、スーパークルーズは単一車線でのみ作動し、追い越しが必要な場合はシステムが解除され、車線変更完了後に再び有効になる仕組みでした。
その後、ゼネラルモーターズは、オンデマンドでの自動車線変更機能を追加したアップデートを行いました。これは、ドライバーが車線変更を開始する必要はあるものの、システムが車線を実行することを意味します。方向指示器をオンにした後、Super Cruiseが移動したい車線の安全を確認し、車線変更を行うという機能です。
そして、今回のSuper Cruiseシステムのアップデートにより、システムが設定された速度を保つために、システムが自ら車線変更を行うことが可能になりました。もちろんドライバーは常に周辺環境に注意を払う必要があり、状況によっては自らハンドルを操作することが求められますが、完全な自動運転へ向け、一歩先に進んだと言っても間違いないでしょう。
キャデラックによると、2021年モデルのCT4およびCT5セダンには、この夏、自動車線変更オプションをOTAアップデートで入手できるそうです。しかし、このアップデートには、有償となり、アップデート料金に関しては、今のところ発表されてはいません。
一方、SuperCruise搭載の2021年モデルのキャデラック・エスカレードにも、やはり有償アップグレードとしてアップデートが行われます。自動車線変更に加えて、ボートやキャンピングカーなどを牽引しながらハンズフリー走行をサポートするSuper Cruise Trailering(トレーラリング)機能も追加されます。
ただし、このトレーラリング機能は自動車線変更には対応しておらず、牽引中は自動で車線変更されない仕組みとなっています。GMはこれまで、2022年第1四半期からトレーラリングでの自動車線変更機能の提供を開始すると述べていました。
キャデラックによると、新しいSuper Cruise機能の対象となる車両は、合計で約12,000台となるそうです。キャデラックは、サプライチェーンの不足により、10月から2021年12月までに製造されたエスカレードなど、一部のモデルからSuper Cruiseを外すことを余儀なくされたため、このシステムを搭載できる車種やSUVの数に制約がありました。一方、2021年12月6日からは、Super CruiseはラグジュアリーSUVに標準搭載となりました。
今夏に有償アップグレードをしない場合でも、新たな機能の追加はないものの、SuperCruiseはこれまでどおりに使用できるそうです。 一方、この先、キャデラックにはGMの最新システムがいち早く搭載される予定です。GMによると、2023年には、市街地でも使用可能なハンズフリー運転支援「Ultra Cruise」の使用可能エリアを、米国とカナダで約322km以上に拡大される予定です。
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