アストンマーティン 高級SUV「DBX707」を発表、707psで驚異的なスピードを発揮

アストンマーティンがラグジュアリーSUV「DBX707」を発表しました。アストンマーティン初のSUV「DBX」は、他のライバルと比べると性能数値的に見劣りしてしまう感が拭えなかったですが、DBX707の最大出力は、707ps(697hp)にパワーアップされ、0-100km/h加速は3.1秒と、米国SUV番付でも最強のマシンです。

DBX707は、V型8気筒エンジン搭載のDBXに比べ155hpパワーアップし、0-100km/h加速がDBXの4.3秒より1.2秒と大幅に短縮されました。最大トルクも199Nmアップの899Nmを発揮します。

DBXと同じ4.0リットルV型8気筒は、ボールベアリング式ターボチャージを採用し、専用のキャリブレーションを施され、徹底的に改良することでパワー増強を実現しています。9速湿式ATとの組み合わせにより、従来のトルクコンバーター式ATでは不可能だった、より高いトルク負荷に対応できるようになりました。

SlashGearがDBX試乗した際にも明らかになったように、実際の走行では、馬力の足りなさを感じることはありませんでしたが、ライバルSUVがDBX以上の馬力を誇示したことは、アストンマーティンのプライドを傷つけたことでしょう。

パワーの向上もさることながら、DBX707の走りにも大きな変化があったとアストンマーティンは謳っています。例えばギアシフトは「明らかに」速くなり、その結果、標準のDBXとは「劇的な性格の変化」を遂げたそうです。

スピードを出すことと同じくらい、減速することも重要であるため、ブレーキも見直されています。フロント16.5インチ、リア15.4インチという大径のカーボンセラミックディスクと6ピストン・キャリパーが標準装備されています。冷却性能の向上や高性能ブレーキパッドの採用など、より強力な制動力を発揮するだけでなく、バネ下重量を40.4kgも削減しています。

標準装備の22インチホイールは、SportまたはRibbonの2種類のデザインが用意されています。オプションで、テクスチャード・ブラックまたはダイヤモンド旋削を施したサテンブラックの23インチのホイールも選択可能です。アストンマーチンは、大きなリムはステアリングレスポンス、主要なボディコントロール、そしてラップタイムにもメリットをもたらすと主張しています。

新しいエレクトロニック・リミテッドスリップ・リア・ディファレンシャルが採用され、ファイナルドライブ比をDBX V8の3.07から3.27に短縮。これにより、高回転域で燃費を犠牲にすることなく、ギアチェンジ時のレスポンスが向上したそうです。また、トルク配分は自動で行われ、DBX707は最大で100%のトルクをリアアクスルに伝達することができます。

しかし、最も興味深いのは、サスペンションの変更点でしょう。DBX V8のトリプルボリューム・エアチャンバーはそのままに、新たにダンパーバルビングが設定され、ダイナミック・スプリング・ボリューム切り替えも調整が施されました。電動パワーステアリングシステムの変更と相まって、DBX707はヒーブ、ピッチ、ボディロールの制御が改善されたとアストンマーティンは述べています。エレクトロニック・アクティブ・ロール・コントロールシステム(eARC)も、それに合わせてアップデートされています。

走行モードシステムである「ドライビング・ダイナミクス」は、「GT Sport」と「Sport+」の各モードに新たに「Race Start」のオプションが加わり、調整されます。新しいデザインのコンソールには、サスペンションモード、ESP、マニュアルギア選択モード、アクティブエキゾーストスイッチなどの専用スイッチが用意され、簡単にモード変更が可能です。アクティブエキゾーストスイッチは、スポーツモードでなくても、4本のテールパイプのバルブが開くように設定することができます。

エクステリアとインテリアも変更されています。フロントグリルは大型化され、ダブルベーンでサテンクローム仕上げが採用されています。また、新しいフロントスプリッター、新しいエアインテーク、ブレーキ冷却ダクト、DRLも変更されています。ダークサテン・クロームのウィンドウ・サラウンドは、ルーバー付きのフード・ブレードとマッチし、サイドシルはグロス・ブラックで、より大胆なフォルムに彫られています。

リアには、機能的な新しいリップスポイラーと、より大型化されたツインリアディフューザーが装備されています。リアバンパーもDBX707専用となり、クォーターパネルベントが一体化。

ソフトクローズ仕様のドアを開けて中に入ると、スポーツシートが標準装備されており、コンフォート仕様は無償オプションとなっています。両シートとも、16ウェイの電動調整機能付きで、フロントとリアシートともヒーター機能を装備。「Accelerate」トリムは、レザーとアルカンターラが組み合わされたシートが標準仕様となり、セミアニリン・レザーを採用した「Inspire Comfort」と「Inspire Sport」がオプションとして用意されています。

スイッチギアは標準仕様のダーククロームの他、オプションでブライトクロームとカーボンファイバーから選択できます。トリムは標準仕様のピアノブラック・ウッド、オプションのカーボファイバーとブロンズメタルメッシュが用意されています。もちろん、アストンマーティンのQ部門では、あなたの好み(と予算)に合わせて、カスタマイズ可能です。

ベースとなるDBXが180,500ドル(約2,070万円)からであるのに対し、DBX707は232,000ドル(約2,660万円)からとなる予定です。納車は2022年第2四半期初頭に開始される予定です。

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