フォードは、2021年にデビューして人気を博した電気自動車「マッハE」について、いくつかの詳細を公開しました。2022年モデルのマッハEは現在、エントリーモデルが43,895ドル(約482万円)から注文可能です。また、マッハE カリフォルニア・ルート1には、電動4WDとシートヒーターおよびステアリングホイールが標準装備されていることを明かしました。
カリフォルニア・ルート1という名前のクルマに、寒冷地向けの機能を持たせるのは少し「ちぐはぐ」な気もします。フォードは、すでに、トップ画像の「マッハEプレミアムアイスホワイトエディション・アピアランスパッケージ」の注文受付を開始していますます。マッハEプレミアムアイスホワイトエディション・アピアランスパッケージは、白を基調としたホイールにシルバーのエンブレムが組み合わせられています。
2022年モデルのマッハ E GTおよびGTパフォーマンスエディションには、ブラック塗装のルーフが標準装備されます。また、2022年モデルでは、従来は一部の上級グレードにしか設定されていなかったカラーであるグラバーブルーメタリックとサイバーオレンジメタリックのトライコートが全マッハEモデルに設定されたのも嬉しい変更点です。また、新色「アイスブルーシルバーメタリック」も追加される予定です。
今回、マッハEに搭載されるバッテリーは、標準仕様が70kWh、拡張仕様が91kWhであることも明かされました。これは、10月中旬にリークされた内容どおりの仕様となります。ディーラーに送付された注文ガイドが流出元となったリークでしたが、フォードが今回公表した詳細は、そのリーク情報と一致します。
残念ながら、マッハEの価格上昇もリーク情報と一致し、エントリーグレードの2022年モデルマッハEは、2021年モデルと比べ1,000ドル(約11万4千円)高い、43,895ドルから。10月にリークされた情報がすべて正しかったことを考えると、今回フォードが公表していない詳細もリーク情報であると考えられます。
リーク情報によると、セレクトとプレミアムモデルの価格がそれぞれ1,000ドル(約11万4千円)ほど値上げされるそうです。また、カリフォルニアルート1とGTモデルはそれぞれ2,000ドル(約22万7千円)の値上げになるとも報じられています。GTパフォーマンスパッケージとロングレンジバッテリーもそれぞれ1,000ドル(約11万4千円)ずつ価格が上昇するとみられています。
情報を整理してみると、ロングレンジバッテリーとGTパフォーマンスパッケージを搭載したマッハE GTを購入する場合、2021年と比較して価格は4,000ドル(約45万4千円)上がっているということになります。しかし、マッハEの人気と生産台数キャパシティにより、全米の多くのディーラーでプレミアムが付いた価格で販売されていることを念頭に置くと、さらに支払い価格は跳ね上がりそうです。
フォードはマッハEのバッテリーパックのサイズアップについても明かしており、少し大きくなったバッテリーパックは走行距離に大きく影響すると予想されます。現在、2021年型マッハEの標準航続距離は1回の充電で211マイル(約240km)、延長航続距離は最大で305マイル(約491km)となっています。わずか数kWhのバッテリー容量の追加で、数マイルの航続距離延長が期待できるかもしれません。しかし、まだ明かされていない何らかの機能が追加されることで、航続距離が変わらない可能性もあります。
Ford Pro
フォードがマッハEで成功を納めるためには、できるだけ多くのマッハEを製造する必要があります。生産台数が多ければ多いほど、電気自動車の生産コストは安くなるからです。フォードは長年にわたり、米国で最も人気のある警察車両として採用されています。現在、全米の多くの警察機関がエクスプローラーSUVをベースとした車両を使用しており、この車両は市場で最も性能の良い警察車両の1つとなっています(Car and Driverより)。
フォードは、マッハEの警察向けバージョン「フォード・プロ」をテストしています。フォードは、今年9月に米ミシガン州警察によりフォード・プロの評価テストが実施され、合格したことを明かしています。フォードは、フォード・プロの具体的な性能については言及を避けています(Fordより)。
警察車両は加速が重要になるシーンもありますが、テスラなどの電気自動車からも分かるように、電気自動車でも高速に達することができます。問題は高速走行時の航続距離にありそうです。高速で犯人を追跡中にバッテリー切れなどという事態を引き起こさないためにも、電気自動車はパトロールカーなどではなく、追跡シーンに遭遇しない様な業務での使用に留まりそうです。
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