フォード 欧州で人気のミッドサイズピックアップトラック『Ranger』の新型を発表

フォードはミッドサイズピックアップトラック「Ranger(レンジャー)」を欧州で発表しました。このRangerは、数年前に米国市場に再投入され、それまでトヨタが独占していたミッドサイズピックアップトラック市場の競争を広げることに貢献しました。新型Rangerは、現行モデルに比べて機能が向上しており、充実した内容となっています。フォードは、今回のモデルチェンジに際し、世界中のトラックユーザーと協力して、より多機能で魅力的なトラックを開発したと述べています。

米国ではミッドサイズより大きいフルサイズのピックアップトラックが人気ですが、欧州では米国に比べ道幅が狭い地域が多いなどの理由からミッドサイズが主流。それ故、フォードは新型Rangerを欧州で発表しました。Rangerは欧州のピックアップトラック市場をけん引する存在でもあり、今年9月時点で39.9%のシェアを占めているそうです。新型Rangerは、欧州で2022年後半に受注開始、2023年初頭に納入を開始する予定です。

新型Rangerの開発を担当したのは、オーストラリアにあるフォード製品開発センターに所属する国際的なデザイナーとエンジニアのチーム。写真からは、次世代ピックアップトラックの外観デザインが一新され、フォードのコンパクトピックアップトラック「Marverick(マーベリック)」との類似点も多く所見されます。魅力的なコンパクトサイズのピックアップトラックであるMarverickのデザイン要素をRangerに取り入れたのは賢い選択と言えるでしょう。

新型RangerにはLEDヘッドライト、新しいテールライトが採用されています。フォードは、ピックアップトラックのスタイルと性能を提供しつつ、プレミアムなソフトタッチ素材や、ダッシュボード中央に設置された縦型の大型タッチスクリーンなど、より自動車らしいインテリアを目指したそうです。インフォテインメントシステムには、コネクティビティ技術やボイスコントロールに対応のSync 4が採用されています。

ボディを一新するとともに、シャシーを見直し、現行型Rangerに比べホイールベースが50mm延長、トラック幅を50mm拡大されました。新型Rangerでは、V型6気筒エンジンも用意されています。ハイドロフォーミング加工フロントエンド構造のV型6気筒エンジンを採用することで、エンジン搭載スペースを確保しています。フォードは、このデザインが 「他の『駆動技術』」への「将来性」にも貢献していると説明。これは、フォードが将来的にEV化を視野に入れて新型Rangerをデザインしたことを示唆しています。

エンジンは、シングルターボとツインターボの2.0リットル直列気筒ディーゼルエンジン、欧州販売時には3.0リットルV型6気筒ターボディーゼルエンジンから選択が可能です。残念ながら、米国では、3.0リットV型6気筒ターボディーゼルエンジンの選択肢が用意されない可能性が高いでしょう。

フォードは、新型Rangerを商用車としてだけでなく、ファミリーカーとしても使用できるように、乗り心地や操作性の向上にも注力したそうです。Rangerには複数のバージョンが用意されており、フォードは、Rangerの顧客は、ベーシックな2輪駆動のシングルキャブトラックを求める小規模な企業から、パフォーマンスとパワーを求める本格的なオフロード愛好家まで多岐にわたっていると指摘しています。

新型Rangerは、前輪を50mm前方に移動させることで、アプローチアングルを改善し、オフロードでのアーティキュレーション(タイヤの浮きづらさ)を向上。四輪駆動システムは、電子制御によるシフトオンザフライ技術を採用したものと、フルタイム4輪駆動のものとの2種類が用意されます。

インテリアでの大きな変更点は、縦型の大型タッチスクリーン。トリムレベルに応じて、10.1インチと12インチの2種類のサイズが用意されています。RangerにはFordPassモデムが組み込まれており、車内のデバイスとの接続や、リモートスタート、リモートでの車両状況報告、スマートフォンからのドアの開閉が可能です。

一部のモデルでは、この大きなスクリーン上で360度カメラの映像を確認が可能。駐車時はもとより、オフロード走行時に車の周囲の状況を確認できるようになりました。

トラック幅を50mm幅を広げたことで、パレットやベニヤ板など、より大きな荷物を荷台に積み込むことが可能になった新型Ranger。プラスチック成形されたベッドライナーを新たに採用し、荷物を固定するためのポイントが追加されました。荷台の両サイドとテールゲートには、キャンピングシェルなどのアクセサリーを取り付けるためのフックの様な構造を隠すためのフレキシブルなロードボックスキャップを設置など、細かい点にも配慮されています。テールゲートには、定規の様な目盛やクランプを設置するための窪みが加工されていたりと、移動式の作業台としても使用できるように設計されています。

新型Rangerには他にも、SyncスクリーンやFordPassアプリを使って、視認性の向上を目的としたトラックの周囲360度を覆う照明システム「ゾーンライティング」を操作できます。また、荷台にも照明が設置されており、荷物の積み降ろし時に点灯できます。

トラックの開発と並行して、独自で、また、本格派オフロード製品などを手がけるオーストラリアのARBなどのサードパーティと協力し、新型Ranger用のアクセサリーを開発。そのラインアップはなんと150種類におよびます。フォードは、2022年より新型Rangerを、タイと南アフリカの工場で新型車を生産することを決定しました。その他の市場については、後日発表となるもよう。次世代レンジャーは米国でも発売されると思われますが、現時点では確定していません。価格についても現時点では未発表です。

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