米テキサス州に拠点を置くチューニングメーカー兼オートメーカーであるヘネシー・パフォーマンス・エンジニアリング(HPE。以下、ヘネシー)は、待望のスーパーカー「Venom(ヴェノム) F5」の最初のデリバリーを完了しました。モハベ・ゴールド・イエローの塗装が施された第1台目のVenom F5は、新型コロナウイルスの影響を受け開発期間の遅延を余儀なくされましたが、この度、無事、首を長くして待っていたであろうオーナーの元へ届けられたそうです。
Venom F5は2014年にコンセプトモデルが発表され、その後、2017年の世界最大級のカスタマイズカーショーであるSEMAショーでは、信じられないような動力性能数値とともに市販車プロトタイプが発表されました。ヘネシーの最新作となるVenom F5は、地球上で最も速いロードカーになることだけを目的として存在する、何とも非凡なマシンです。
正直なところ、「地球上で最も速い」とはかなり強気な主張ですが、ヘネシー社は、心を揺さぶるようなめちゃくちかっこいいモンスタートラックやチューナー車を作ることで知られています。Venom F5は、そんなヘネシー社初の100%オーダーメイドのスーパーカー。Venom F5は、ヘネシー社の創立30周年を記念して製作されたものだそうです。
Venom F5は、6.6リットルV型8気筒ガソリンターボチャージエンジンを搭載し、最高出力は1,817hp、最高トルクは1,193lb-ftを発揮します。自社で専用に開発・製造されたエンジンを、ヘネシーはそのパワフルさから「Fury(フューリー、猛威)」という愛称で呼んでいるそうです。Venom F5のパワーは、CIMA製の7速シングルクラッチ式ATとリミテッド・スリップ・ディファレンシャルによって後輪に伝達されます。
Venom F5の重量はわずか3,000ポンド(13260キログラム)以下に抑えられ、パワーウェイトレシオは1トンあたり1,298hpとなり、時速0-60マイル(約97km/h)加速が3秒以下で加速、時速0-124マイル(約200km/h)加速を5秒以下で実現。また、理論上の最高速度は時速311マイル(約500km/h)で、ブガッティの「シロン・スーパースポーツ300+」、ケーニグセグ「アゲーラRS」、SSC「トゥアタラ」などの爆速スーパーカーを脅かす究極のスピードの王座を手に入れることができます。
ヘネシーは、ローザンヌシルバー塗装に赤、白、青のストライプを施した新しいVenom F5も発表。この車は、2021年12月2日からロサンゼルスのピーターセン博物館で展示されるそうです。
Venom F5は24台のみの限定製造で、基本価格が210万ドル(約2億円)からにもかかわらず、予想以上の速さですべてのユニットが完売しました。ハイパーカーにしては大金ですが、ハリケーンの強さを示す藤田スケールの最高風速カテゴリーにちなんだ名前を持つスーパーカーは、他ではなかなか手にできないでしょう。
さらに、ヘネシー社がVenom F5の公式な最高速度記録の走行を準備しており、来年初頭に実現する可能性があるとの噂もあります。Venom F5は、世界最速のプロダクションカーの称号を得ることができるのか。その挑戦へ向けたカウントダウンは今から始まります。
コメントを残す