テスラを超えた ルーシッド・モーターズの新型EV、航続距離は最大837km

米国のEVメーカー、ルーシッド・モーターズ(Lucid Motors)は、新型EV『エア』の公式航続距離を発表しました。仕様によって差はありますが、ライバルとされるテスラの『モデルS』を大きく上回る数値となっています。

新型エアの最上位仕様「ドリーム・エディション・レンジ」は、EPA(米国環境保護庁)の評価で最大837kmの走行が可能で、同機関がこれまでに評価したEVの中で最長とされています。

ルーシッド『エア・ドリーム・エディション』のEPA(米環境保護庁)評価

現在、3つの仕様の航続距離が公表されており、ドリーム・エディション・レンジのほかに走行性能を優先した「ドリーム・エディション・パフォーマンス」、価格を少し抑えた「グランド・ツーリング」があります。

ドリーム・エディション・レンジは、19インチのホイールを装着した場合、1回の充電で最大837kmの走行が可能です。オプションの21インチホイールを装着した場合は774kmとなります。一方、ドリーム・エディション・パフォーマンスの航続距離は、19インチホイール装着時で最大758km。大径の21インチホイールを装着すると726kmになります。

グランド・ツーリングは、19インチホイール装着時で最大830km、21インチホイール装着時で755kmと評価されました。

ルーシッド『エア・グランド・ツーリング』の EPA(米環境保護庁)評価

ドリーム・エディション・レンジで933馬力の電気モーターを搭載しているのに対し、ドリーム・エディション・パフォーマンスは1,111馬力という強力なモーターを搭載します。いずれにしても従来の市販EVを大きく上回る性能を持っていることは確かで、最低700km以上という航続距離もユーザーにとっては十分なアピールポイントとなるでしょう。

ルーシッド・モーターズは以前から、主に航続距離に焦点を当ててPR活動を行ってきました。EV航続距離に関しては、これまでテスラが圧倒的な強さを誇ってきましたが、今回の発表で新興メーカーのルーシッドに大きく引き離されたことになります。例えば、テスラの『モデルSロングレンジ』は、EPA評価で最大652kmとされています。

ルーシッド『エア』

テスラは独自の充電網「スーパーチャージャー」を展開(年内には他社モデルにも開放)していますが、ルーシッドはエレクトリファイ・アメリカ社など既存の事業者と提携し、DC急速充電器を利用できる体制を整えています。

エア・ドリーム・エディション・レンジの車両価格は、169,000ドル(約1,850万円)から。グランド・ツーリングは139,000ドル(約1,525万円)からとなっています。年内にも納車が開始される予定で、2022年頃には、価格を80,000ドル(約880万円)程度に抑えたエントリーモデルも発売される見込みです。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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