マツダは21日、ラインナップの縮小に伴い、コンパクトSUV『CX-3』と中型セダン『マツダ6』の米国導入を終了すると発表しました。現行の2021年モデルを最後に、来年以降は販売されないことが確認されています。
両モデルの廃止について、マツダは「消費者嗜好の変化」を理由に挙げています。米国ではゆとりある大型SUVの人気が高まっており、マツダのラインナップでは『CX-5』や『CX-9』のようなモデルが主力となっています。一方、マツダ6やCX-3の販売状況は芳しくありません。例えば、2021年4月の米国でのマツダ6の販売台数は1,500台強で、年間の販売台数は5,800台強となっています。
CX-3においては、SUVの中でも大型モデルとの違いがより顕著に現れています。4月の販売台数は893台で、これに対し、一回り大きい『CX-30』は5,532台、3列シートの『CX-9』は3,188台、そしてマツダのベストセラーである『CX-5』は14,883台と、大きな差があります。今年に入ってからのCX-5の販売台数はすでに5万5,000台を超えており、これはCX-3の23倍以上にあたります。
CX-3のデビューは2015年で、俊敏性、スタイル、個性を強みとしていました。『ロードスター』のドライビング・スピリットとコンパクトSUVの実用性を融合させようと試み、見事にその期待に応えました。しかし、上位のCX-5との価格差は最小限に抑えられ、実用性では明らかに大きなSUVに軍配が上がりました。CX-5の走りも評価が比較的高いことから、CX-3は独自のニッチを開拓するのに苦労しているようです。
一方、マツダ6については、自動車業界の現実がその運命を決定づけていると言えるでしょう。走りの良さ、美しいスタイリング、デザイン性の高いキャビンなどが評価されているものの、セダンの販売台数は業界全体で減少しています。現行の3代目モデルは2012年に発売され、2018年にフェイスリフトを受けたものの、そろそろ古さが目立ち始めています。マツダは、4代目を米国に導入するのはコストに見合わないと判断したのでしょう。
マツダは次のコメントを発表しています。
「マツダは100年以上にわたり、美しくデザインされた運転して楽しいクルマを提供することで、業界や消費者のニーズの変化をうまく切り抜けてきました。消費者の関心が変化し続ける中、マツダは米国市場向けの2022年モデルのCX-3とマツダ6の販売を終了します。この2台はラインナップから外れますが、わたし達はこの2台がマツダのブランドに貢献したパフォーマンス、デザイン、品質、安全性を誇りに思っています」
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