新型ホンダ『シビック・セダン』 北米正式発表 エンジン、デザイン、安全性は?

新型ホンダ『シビック・セダン』が北米で正式発表されました。11代目となる新型シビックでは、全体的にデザインがシンプルになり、ボンネットやフェンダー、ベルトラインが低くなったことで視覚的な安定感を醸しています。運転支援システムや安全装備が強化されたほか、シャシーや足回りの改良により安定性とコーナリング性能を向上させています。

マイルドだがスポーティーな印象を与えるデザイン

先代モデルと比べて、Aピラーの根元が50mm近く後ろに下がり、ボンネットがより長くなりました。サイドミラーはピラーではなくドアに取り付けられ、フロントフェンダーからテールランプまでシャープなキャラクターラインが施されています。トランクリッドはわずかに上を向いたスポイラーとなっています。

ホンダ『シビック・セダン(北米仕様)』

ボディカラーは、従来のバリエーションに加えて、「メテオライトグレー・メタリック」「ソニックグレー・パール」「モーニングミストブルー・メタリック」の3色が新たに追加されます。

パワートレインは2種類。「LX」と「Sport」グレードには、自然吸気の2.0L 4気筒エンジンが搭載され、最高出力158馬力、最大トルク187Nmを発揮します。最新のCVTが組み合わされ、燃費は米EPA基準で市街地モード13.1km/l、高速道路モードで17.0km/lとされています(推定値)。

ホンダ『シビック・セダン(北米仕様)』

「EX」と「Touring」グレードには、1.5L 4気筒ターボエンジンが搭載され、最高出力180馬力、最大トルク240Nmを発揮します。CVTを採用し、推定燃費は市街地モード14.0km/l、高速道路17.8km/lとなっています。

ドライブモードは「ノーマル」と「エコ」の2種類で、2.0LのSportと1.5LのTouringには「スポーツ」が追加されています。このモードでは、ドライブレシオとマッピングを変更し、より魅力的なドライブを実現するとのこと。メーターの照明も赤に変更され、スポーティーな雰囲気を高めます。パドルシフトも装備されています。

ホイールベース延長で安定性向上、でも電動化は?

ホンダ『シビック・セダン(北米仕様)』

走りを向上させる要素としては、新しいサスペンションとシャシーが挙げられます。ホイールベースを35mm延長してスムーズな乗り心地を実現するとともに、フロントのマクファーソン式ストラットには、低摩擦ボールジョイントやダンパーマウントベアリングなどの改良が施されました。これにより、ステアリングフィールと安定性を向上させています。

リアでは、トレッド幅を13mm拡大して安定性を高めるとともに、ロアアームのブッシュを変更して、騒音や振動を低減し、旋回性を向上させています。電子制御式のパワーステアリングも再調整されており、ホンダによれば、路面の凹凸や踏切などを乗り越える際の衝撃に対して、滑らかさが20%向上しているとのことです。

ホンダ『シビック・セダン(北米仕様)』

現時点では、パワートレインの電動化に関する発表は何もありません。ホンダは電動モデルへの移行を積極的に進めていますが、シビックには、プラグイン・ハイブリッドや完全EVはおろか、マイルド・ハイブリッドすら設定されていません。ただ、将来的には、何らかの電動仕様が登場する可能性も十分に考えられます。

高級感あるインテリア 視認性にも配慮

インテリアでは、ホンダの新しいデザイン言語が採用されており、低いボンネット、フラットなダッシュボード、ボンネットの下に隠れたワイパーの助けもあって視認性が確保されています。また、サイドミラーの位置を変更したことも効果的で、メーターパネルの上部も、フロントガラスへの反射を避けるために、できるだけカットラインを少なくしています。

ダッシュボードにはメタルハニカムメッシュを採用し、エアコンのダクトをうまく隠しています。エアコンの風向きは、突き出たジョイスティックで調整できます。指紋がつきにくいセンターコンソールトリムなど、高級感と耐久性を両立させるため、手の触れやすい部分にも気を配っているといいます。また、フロントシートを一新し、快適性を向上させています。

ホンダ『シビック・セダン(北米仕様)』

メーターディスプレイは7インチが標準で、上位のTouringグレードでは10.2インチを採用。センターコンソールには7インチのタッチスクリーンが装備されており、音量調整ノブなど物理的なコントロールも残されています。ワイヤレスのApple CarPlayとAndroid Autoにも対応しています。ラゲッジスペースは419Lを確保。

安全面では、ホンダセンシングを標準装備。従来のレーダーとカメラの組み合わせではなく、単眼カメラによる方式に変更し、より強力なプロセッサーを搭載することで、歩行者、自転車、車両、車線、交通標識などの識別を迅速に行えるようになりました。アダプティブ・クルーズ・コントロールは、自然なブレーキングと反応速度の高速化を実現したほか、トラフィック・ジャム・アシストが追加され、レーン・キーピング・アシスト・システム(LKAS)の動作も自然なものになっているとされています。

また、8つのソナーセンサーを内蔵し、低速ブレーキコントロールと前後の誤発進防止機能が追加されています。運転席と助手席のエアバッグは、衝突時に乗員の頭部を包み込むように支える新設計のものを採用。これにより、前方からの衝突で頭部の外傷の原因とされるねじれを防ぐことができるといいます。さらに、フロントバンパーとボンネットのデザインも、歩行者の足や頭を保護する設計に変更しています。

ホンダは、2022年モデルのシビック・セダンをカナダのオンタリオ州アリストンの工場で生産します。一方、シビック・ハッチバックは、米国インディアナ州グリーンズバーグ工場で生産される予定です。セダンは今年の夏に米国で発売される予定で、価格も発売次期に合わせて発表されます。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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