フォルクスワーゲンは、新型電動SUV『ID.6』を上海モーターショー2021で公開しました。中国でのみ販売予定のEVですが、フォルクスワーゲンのIDシリーズ最大サイズの3列シートSUVで、航続距離は最大580km以上とされています。
フォルクスワーゲン・ブランドのラルフ・ブランドシュテッターCEOは、次のコメントを発表しています。
「新型ID.6によって、2031年までに中国で販売する自動車の少なくとも50%をEVにするための基礎を築きます。わたし達は勢いを維持しながら、MEB(同社のEV用プラットフォーム)モデルのラインナップを徐々に増やしています。2023年までに、フォルクスワーゲンは中国で合計8台のIDモデルを展開する予定です」
ID.6は、既存のハッチバック『ID.3』とクロスオーバー『ID.4』に続く、MEBプラットフォームを採用した3番目の完全EVとなります。中国では後部座席が広いクルマが好まれるため、全長4880mmと、IDシリーズの中で最も大きなモデルとなりました。
北米で販売されている内燃機関のSUV『アトラス』とほぼ同じサイズで、ホイールベースも似ていますが、アトラスの方が背が高く、全長も約150mm長くなっています。2019年の上海モーターショーでは、ID.6のコンセプトモデル『ID.Roomz』が公開されています。当時は、4枚のスライドドア、ロングホイールベース、ショートオーバーハングを特徴とする未来的なSUVとなっていましたが、市販モデルでは当然ながらスライドドアは装備されていません。
中国では、『ID.6 Crozz』と『ID.6 X』の2つのバージョンが設定されています。58.0kWhのバッテリーを標準装備しますが、大型の77.0kWhもオプションで用意。航続距離は、NEDCテストサイクルで435~588kmとなっています。
ID.6は、ID.4と同様に、シングルまたはデュアルの電気モーターを搭載しています。デュアルモーター搭載のAWD仕様では、0-97km/h加速6.6秒、最高速度は160km/hに達するとのこと。室内には、12インチのタッチスクリーン・インフォテインメント・ディスプレイが搭載されており、「ハロー、ID」と呼びかけることで諸機能の操作ができる音声コントロール機能が備わります。その他にも、ARヘッドアップディスプレイや空気清浄機能、運転支援システム「トラベルアシスト」などが採用されています。
ID.6の発売は、今年後半に開始される予定。生産は、中国の安亭と佛山にあるフォルクスワーゲンの工場で間もなく始まります。今後、中国以外の市場にも導入されるかどうかは不明です。
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