フォードは新型「マスタング・マッハ1」の価格を発表すると同時に、受注を開始しました。サーキット走行に焦点を当てたマスタングの高性能モデルで、マッハ1の名は1947年に音速の壁を破った伝説のパイロット、チャック・イェーガーと深い関りがあります。納車は年明けに開始される予定です。
今年の初めに発表されたマッハ1は、5.0L V8エンジンを搭載し、480馬力、570Nmのトルクを発揮。これまでで最もサーキット走行に適したV8マスタングとしてデビューしました。
このエンジンは、シェルビーGT350と同じTremec 3160 6速MTと組み合わされています。オプションで10速ATも用意されていますが、追加料金を払ってまで選ぶ人は少ないでしょう。ただ、10ATを選ぶとアップグレードされたトルクコンバーターと独自のキャリブレーションを楽しむことができます。
エクステリアも標準のマスタングとは異なる特別仕様となっており、フロントグリルには3Dメッシュと、初代のマスタング・マッハ1を彷彿とさせるフェイクランプが採用されています。サイドグリルも追加され、エクステリアのメッキパーツのほとんどが低光沢のマグネティックフィニッシュグレーに変更されました。リアタイヤのディフレクターも追加されたほか、ホイールはフロント19×9.5J、リア19×10Jのターニッシュダーク塗装の19インチが装着されています。
アダプティブダンパーやスタビライザーバー、ハードな設定のスプリングなどを採用。オイルクーラーを増設したり、ボディ下部の空気の流れを最適化したりするなど、本格的なスポーツ仕様となっています。
オプションでハンドリングパッケージを選ぶと、専用リアスポイラーなどが装備され、マスタングGTと比べて150%のダウンフォースを得られると言います。
内装は、エボニーシートにレザーとアクセントディティールが施され、ドライバー正面には12.3インチのデジタルメーターが標準装備されています。
北米での販売価格は52,915ドル(558万円) から。マスタング・ブリットよりも約4,000ドル(42万円)高いのですが、現在販売が中止されているGT350よりはかなり安い設定です。
冒頭に紹介したチャック・イェーガーは、第二次大戦中にアメリカ空軍の戦闘機パイロットとして「P-51 マスタング」に搭乗していました。そして戦後の1947年、彼はベル「X-1」の操縦桿を握り、人類初の音速有人飛行(マッハ1を突破)を行ったのです。
偉業から73年、マスタング・マッハ1は伝説的な高性能モデルとして復活を遂げました。
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