日産のコンパクトクロスオーバー「キックス(Kicks)」は、いま最も人気が高まってきているカテゴリーに属する注目の1台。これまで海外でしか販売されていなかったキックスが、ついに日本へ導入されるのではないかと話題になってます。そんなキックスですが、今回は新たに追加された「e-Power」バージョンについてご紹介しましょう。ガソリンモデルをベースに、電気モーターとコンパクトなバッテリーを搭載して電動化を実現した電気自動車です。
日産の誇るe-Power技術では、バッテリーが減ると小型のガソリンエンジンにより充電を行います。このエンジンは発電機の役割を果たすレンジエクステンダーなので、ハイブリッドではなく電気自動車と呼ぶのが正しいでしょう。「リーフ」のような従来の電気自動車とは異なり、充電スタンドを必要としません。現在、「ノート」や「セレナ」にも採用されています。
新型キックス e-Powerは、フロントに1.2L 3気筒ガソリンエンジンを搭載。EM57 電気モーターと 1.57 kWhのリチウムイオンバッテリーにパワーを供給します。127馬力と260Nmのトルクを生み出しますが、これはノーマルのガソリンモデルよりも高出力です。なお、燃費はまだ明らかにされていません。
スタイリングとしては、ブランド共通のVモーショングリル、フローティングルーフ、LED技術を採用したブーメランヘッドライト、ブラックアウトしたCピラーなどが採用されています。インテリアでは、7.0インチのインフォテインメントディスプレイ、新形状のステアリングホイール、新シートを装備。また、日産の最新モデルというだけあって、自動緊急ブレーキやクルーズコントロール、ブラインドスポット、リアクロストラフィックアラート、インテリジェントバックミラーなど安全装備も充実しています。
キックス e-Powerは、日本以外で日産のe-Power技術を初めて生産した国であるタイでデビューしました。日産のアジア・オセアニア事業を統括する真田 裕氏は次のように述べました。
「新型『キックス e-POWER』のタイでの発売は、日産がこの地域にもたらし続ける破壊的で革新的なDNAを体現しています。スタイル、快適性、優れたデザイン、そしてインテリジェントモビリティーテクノロジーを強固に融合させたこの車は、タイのお客様に日産がいかに新しい可能性を取り込んでいるかを感じていただけることでしょう」
キックスが本当に日本へ導入されるかどうかは不明です。しかし、2代目となる新型「ジューク」が日本から撤退することから、コンパクトクロスオーバーの椅子を埋める存在としてキックスがあてがわれる可能性は十分にあります。サイズとしてはジュークよりもやや小型で、トヨタ「ヤリス クロス」がライバルとなるでしょう。
タイでの価格設定は、ベースモデルが約27,000ドル(289万円)から、最上級のVLグレードは約33,000ドル(353万円)とやや高額です。ただ、タイは自動車の輸入に対して高い関税が課せられているため、日本で販売される際にはもう少しリーズナブルな設定となると思われます。
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