「ハリアー」がついに北米上陸!次期「ヴェンザ」として導入

トヨタの人気SUV「ハリアー」は、これまで基本的に日本専売車種でしたが、6月に発売の新型からついに北米市場へ導入されることになりました。車名こそ中型クロスオーバー「ヴェンザ(Venza)」の名を引き継ぐものの、日本版ハリアーと外観上の違いはほとんどありません。2015年に生産を終了した旧型ヴェンザは、「カムリ」と同じプラットフォームを採用するワゴンスタイルの“変わった車”でしたが、洗練され蘇った新型は人々の記憶に残るクロスオーバーSUVになるでしょう。

“北米版ハリアー”もとい、新型ヴェンザはミドルサイズのクロスオーバーであり、トヨタのTNGA-Kプラットフォームを採用したハイブリッド車です。同じタイミングで発表された新型ミニバン「シエナ(Sienna)」と同様に、搭載するドライブトレインはガソリンと電気のハイブリッドのみ。2.5L 4気筒DOHCエンジンと3つの電気モーターを組み合わせたものです。

最高出力は219馬力で、トヨタによると40 mpg(約17km/l)の燃費を実現したとのこと。新しいリチウムイオンバッテリーは、サイズと重量を減らして後部座席の下にマウントすることで、十分なトランク容量(約1,028L)を確保。シーンに応じて走行モードを選択できるドライブセレクターを搭載し、「Normal」「Eco」「EV」および「Sport」を設定しています。トランスミッションの変速を疑似的に再現するシーケンシャルシフトを搭載しており、MT車のような運転も楽しめます。

また、ハリアー発表時には明らかにされていなかったPredictive Efficient Drive(PED)と呼ばれるシステムが採用されています。これは、ナビゲーションを利用して日々の運転習慣や道路/交通状況を分析して、ドライバーがよく通るルートを学習・記憶し、減速しそうな時や停止しそうな時に合わせて回生ブレーキを強く効かせるなどしてバッテリー充電を最適化するというもの。燃費向上に貢献するシステムですが、このPEDが日本のハリアーにも導入されるかどうかは分かっていません。

ブレーキシステムには、アンダーステアを低減するアクティブ・コーナリング・アシストが追加され、電子制御式の全輪駆動が標準装備されています。リアに配置された電気モーターが、最大80%のパワーを後輪に供給することで、アンダーステアが低減されます。

旧型ヴェンザはその独特のスタイリングについて否定的な意見も多くありましたが、高級感ある新型のデザインは人気を得られるかもしれません。ベースとなる「LE」グレードには18インチホイールが標準装備され、「XLE」と「Limited」にはクローム仕上げの19インチマルチスポークホイールが装備されます。

パワーシート(フロント)を標準装備し、オプションでヒーターを選択可能です。全車にトヨタの第2世代の安全技術「Toyota Safety Sense 2.0(TSS 2.0)」を搭載し、アダプティブクルーズコントロール、ステアリングアシスト付車線逸脱警報、レーントレースアシスト、歩行者・自転車検知機能付プリクラッシュシステム、ブラインドスポットモニター、リアクロストラフィックアラートを装備。上位グレードにはパーキングアシストも装備されます。

LEおよびXLEグレードには、8インチのタッチスクリーンインフォテイメントシステムを採用。Apple CarPlay、Android Auto、Amazon Alexa、SiriusXMが利用可能となっています。10インチのカラーヘッドアップディスプレイとデジタルバックミラーはオプション設定。Limitedグレードにはバーズアイビューカメラ(鳥瞰カメラ)が標準装備されています。電動式のリアゲートはハンズフリーで開閉可能です。

トヨタ初の試みとして、スターゲイズ(Star Gaze)ルーフを採用している点も特徴的です。これは、「エレクトリクロミックガラス」と呼ばれる固定式パノラマガラスルーフで、電気的に透明度を変えることができるというもの。メルセデス・ベンツなどの一部の高級車には採用例がありますが、このクラスではとても珍しい装備です。

新型トヨタ・ヴェンザは、この夏に発売予定です。ハリアーはモデルチェンジに伴い、高級輸入車に負けないクロスオーバーとなりました。開発時には北米市場への参入も視野に入れていたはずですから、おそらく走りの面でも大きく変化していると思われます。日本専売車が海外でどのように受け入れられるのか、目が離せません。

林 汰久也

愛知県在住 27歳。ハウスメーカーの営業を経て、IT企業のメディア事業に参画。記事制作ディレクターとして店舗紹介記事などの制作に携わる。現在は退職し、フリーのライターとして活動中。

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