先日、IIHS(米国道路安全保険協会)が2019~2020年に発売されたジープ「ラングラー(Wrangler)」の 4ドアモデルの衝突テストを実施したところ、意外な結果が出ました。運転席側の「スモールオーバーラップ」と呼ばれるこのテストにおいて、ラングラーはテストバリアに衝突した後、助手席側(右側)に横転。わずかな評価しか得ることができませんでした。運転席側スモールオーバーラップ衝突試験を 3回実施した結果です。
3回のうち、1つは IIHS検証試験プログラムの一環としてフィアット・クライスラー(ジープの親会社)が実施したもので、残りの2つは IIHS車両研究センターが実施したもの。後者のIIHS実施の試験において、ラングラーはテストバリアに衝突した後、2回とも助手席側に横転してしまいました。オーナーにとっての朗報は、通常の基準(運転席の傷害値)で見れば良好な結果を示したことでしょう。
運転席のスペースは十分に確保されており、ダミー人形の動きも十分に制御されていたとのこと。しかし、車両の横転は、測定基準以上の傷害リスクが増すという理由から、正面衝突の結果としては許容できないとしています。その結果、車両の総合評価は4段階の3番目「マージナル(可)」に引き下げられました。
ラングラーの場合、一般的な乗用車と違って取り外し可能なルーフとドアを備えており、乗員を車内に保持するために展開するサイドカーテンエアバッグも装備されていないため、今回の発見は特に重要な意味を持っています。サイドカーテンエアバッグの装着義務は、ルーフが取り外し可能となっている車両の場合、規制の対象外となっています。先代ラングラーは、同じテストでもっとベターな評価を得ていました。
フィアット・クライスラーが提出したテスト結果では、ラングラーは転倒しなかったとされています。興味深いのは、IIHSは検証プログラムの整合性を確保するために、一部の車両を対象に監査テストを実施しているということ。つまり、メーカー側の試験結果の完全性を確かめるために抜き打ちで再試験を行い、その結果、低評価を付けられたということです。当局は、これが事故の原因になったかどうかを調査しています。
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