クルマ好きの多くが好むのは、やはりマニュアル・トランスミッションだと思います。ただ、マニュアル(MT)車の需要が自動車総販売台数の何割を占めているのかを考えると、昔ながらのトランスミッションが絶滅に瀕していることは容易に想像できます。これは日本だけの流れでなく、米国や欧州でも起きていることです。MINIは日本でのマニュアル設定を廃止しましたが、米国では販売を続けると発表しています。
もちろん、マニュアルを望むのは、圧倒的に少数のユーザーです。IHS Markit社(英)によると、2018年に米国で販売された新車のうちマニュアル車が占める割合はわずか3.5%だったといいます。
この傾向を受けて、一部の自動車メーカーは米国内でのマニュアル設定を完全に廃止しています。例えば、Audiは2019年からすべての米国向けモデルをオートマチック車に切り替えました。欧州では6速マニュアルの設定が用意されているものの、これらを米国の規制に適合させるには費用対効果が低いようです。
しかし、MINIは7車種の2021年モデルにおいてマニュアルの設定を用意しており、ハードトップだけでなくコンバーチブルも含まれます。
MINI「Cooper(クーパー)」および「Cooper S」の2ドアまたは4ドアをお求めであれば、マニュアルを選ぶことができます。MINI「John Cooper Works(ジョンクーパーワークス)」の2ドアや、「Cooper Convertible」「Cooper S Convertible」も同様です。MINI「Clubman(クラブマン)」および「Countryman(カントリーマン)」に関する詳細は、2021年モデルの情報が準備でき次第、発表される予定とのこと。
もちろん例外はあります。例えば、2021年モデル「John Cooper Works GP」は、8速のSteptronic Sportオートマチック・トランスミッションのみの設定となっています。MINIによると、それは301馬力のエンジンを搭載することにこだわったからだといいます。
同様に、2021年モデル「John Cooper Works Convertible」は7速のSport Dual-Clutchオートマチック・トランスミッションが標準で、マニュアルのオプションはありません。ALL4 全輪駆動システムを搭載したMINI ClubmanとCountrymanにも、専用トランスミッションとしてオートマティックを採用します。
少しずつ除外されつつあるにもかかわらず、世界では以外にも多くのマニュアル車が生き残っています。もちろん、それが実際の売り上げにどのように影響するかは大きな問題です。自動車メーカーは通常、少なくとも公には、トランスミッションの種類ごとに販売数を分類しません。MINIにとってこの決断がどれだけ良いものであったかを知る最善の方法は、2022年モデルで提供されるマニュアル車の数を数えることでしょう。
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