フランスの自動車メーカーであるシトロエンから派生した高級サブブランドDS Automobiles(DSオートモビル)は、2025年までに電気自動車とハイブリッド車のみを製造することを発表しました。現在、DSのEVはDS 3 Crossback E-Tenseのみですが、この度、ワンオフコンセプト「E-Tense Performance」を発表しました。
E-Tense Performanceは、フォーミュラEレーシングカーのパワートレインを搭載した電動ハイパースポーツカーです。E-Tenseは、2014年のシトロエン・デヴァインDSコンセプトとは似て非なるものだが、2016年のジュネーブ・オートショーで発表されたE-Tenseコンセプトと同様のデザインを継承しています。
DSパフォーマンス・ディレクターのThomas Chevaucher(トーマス・シュヴォーチャー)氏は、「我々の目的は、フォーミュラEで得た経験と、国際的なタイトルから得た専門知識を、未来の高性能なEVを推進するプロジェクトに応用することです」と語っています。
カーボンアルミモノコックフレームの下には、フォーミュラEの1人乗りレーシングカーに搭載された駆動装置が搭載されています。フロントに250kW、リアに350kWの電気モーターを搭載し、合計で600kW、804psのパワーを発生させます。これは公道用のレーシングカーと呼ぶにふさわしい性能数値でしょう。
これらの高出力モーターは、「革新的な化学物質」と「特注のQuartz EV Fluidソリューション」による「没入型冷却システム」を備えた革新的な新バッテリーパックから電力を得ています。フランスの石油化学企業であるTotalEnergies(トタルエナジーズ)社と、フランスの電池メーカーであるSaft(サフト)社の協力で開発されたバッテリーは、最大600kWの加速と回生を可能にし、狂気的な加速と、より効率的に力を回復させることができるとDSは主張しています。
バッテリーをリア中央に搭載し、重量配分を改善したE-Tense Performanceは、驚異的な加速を実現しているそうです。DSは、0-100km/h加速が2秒と謳っていますが、これは今のEVの基準からすると恐るべき速さです。
人目を引くシルエットと、800個以上のLEDで構成された3D効果のある薄型のデイタイム・ランニング・ライトが、その特徴的な外観を生み出しています。テールを短くしたAudi R8と見紛うばかりですが、角度によってはBugatti Chironの要素も感じられます。さらに、ボディパネルには、見る場所によって色合いが変わる「ビートルエフェクト干渉色塗装」が施されているユニークなマシンです。
インテリアの画像を公開していませんが、DSによるとコンセプトにはバケットシート、フォーミュラEステアリングホイール、ブラックレザートリム、Scala Utopia Evoスピーカーを搭載したFocal Utopiaオーディオシステムが搭載されているそうです。E-Tense Perfomanceは、現時点では単なるコンセプトですがが、プロトタイプの初期テスト走行が、今年2022年2月に開始される予定です。
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