メルセデス・ベンツの新型Sクラス プラグインハイブリッド(PHV)車が欧州で発売されてから数ヶ月が経ちました。新型Sクラスの 「S 580 e」と呼ばれるPHVは、標準車の4.0リットルV型8気筒エンジンに代わり、3.0リットル直列6気筒ガスエンジン、1基の電気モーターを組み合わせ、29kWhのバッテリーパック、そして後輪駆動を採用しています。そして、今回新たに、SクラスのPHVに4MATICの全輪駆動モデルの「S 580 e 4MATIC」がラインナップに追加されました。
メルセデスの発表によると、この仕様は英国、ドイツ、その他のヨーロッパ地域で現在注文を受け付けており、最初の納入は今年の年末近くになるとのことです。メルセデスは、米国や日本仕様のSクラスPHVの発表や、米国や日本での販売開始時期については、まだ明らかにしていません。しかし、メルセデスの伝統的なフラッグシップモデルなだけに、早く登場してほしいものです。
2022年モデルのメルセデスSクラスPHVは、その高貴な雰囲気を裏付けるパワーを持っています。マイルドハイブリッドのV型8気筒を搭載していないにもかかわらず、367hpの直列6気筒ガスエンジンと150hpの電気モーターを搭載し、合わせて517hpの出力を発生しています。さらに、電気モーターはどんな速度でも瞬間的に354ポンドフィートのトルクを発生し、航続距離は約62マイル(100km)で、ガソリンを使わないオールエレクトリックモードで走行することも可能。また、オールエレクトリックモードでの最高速度は時速87マイル(約160km)に達します。
バッテリーの充電は、出力11kWの3相AC充電器を標準装備し、オプションでおよそ30分で充電が完了する60kWのDC急速チャージャーが選択可能です。S 580 e 4MATICは、全輪駆動方式を採用し、全天候型のトラクションとグリップを向上。従来通りショートホイールベースとロングホイールベースの2種類が用意されています。
また、S 580 e 4MATICには、最新となる第2世代の「MBUX」インフォテイメントシステムが搭載されています。このシステムには、全電気自動車であるEQSセダンに由来する新しいインターフェース「ゼロレイヤー」を採用し、運転シナリオに応じて、最も必要で関連性の高いアプリケーションを画面上部に表示。アダプティブ・ソフトウェアと人工知能により、ドライバーはサブメニューを延々とスクロールしたり、音声コマンドを繰り返したりする必要がなくなるのだそうです。
また、メルセデス・ベンツのパーソナライゼーションプログラム「Manufaktur(マヌファクトゥール)」によるカスタマイズの選択肢も増えました。7種類の新しい塗装仕上げ、5種類のプレミアムパッケージ、レザー不使用の専用インテリアなどを選択することができます。また、Sクラスでは初めて、メルセデス・ベンツの人工皮革「アルティコ」が採用されています。S 580 e 4MATICの価格は130,638ユーロ(約1,690万円)からと、FRモデルよりも約46万円高い価格設定となっています。
コメントを残す