塗装だけで3か月かかる超高級車 マクラーレン『スピードテール』の特別モデル公開

106台製造されるマクラーレン『スピードテール』のスペシャルモデル、「マクラーレン・アルバート・スピードテール」が公開されました。アルバートという名称は、2018年に発表されたスピードテールのプロトタイプへのオマージュであり、1992年のマクラーレン『F1』のテスト車両に由来しています。

スピードテールが生産を開始するにあたり、マクラーレン・ビバリーヒルズはMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)の協力を得て、今回のアルバート・スピードテールを製作しました。ティアドロップ型のボディスタイルはそのままに、特筆すべきは塗装の仕上がりです。

マクラーレン・アルバート・スピードテール

2018年のプロトタイプには、2mにおよぶボディラッピングが施されていましたが、これは空力特性に優れたボディ上を流れる空気を模したラインがプリントされたものです。しかし、今回公開された特別モデルのアルバート・スピードテールでは、ビニールラップではなく、非常に複雑なペイントが施されています。

マクラーレンによると、アルバート・スピードテールの塗装作業は、マスキングに2週間、塗装に6週間、乾燥と再組み立てに4週間と、計12週間を要したといいます。マスキングだけでも、2人の専門技術者が2kmに及ぶマスキングテープを必要としたとのこと。

マクラーレン・アルバート・スピードテール

まず車両を分解してから下塗りを行い、フロントに「ウエノ・グレー」、リアに「マグネシウムシルバー」のカラーリングを施します。次に、ボディパネルを再装着してアライメントを整え、最後にクリアコートを塗布します。その結果、マクラーレン史上最速のマシンに相応しい、素晴らしい仕上がりとなりました。

スピードテールには最高出力747hp、最大トルク800Nmの4.0L V8ツインターボエンジンが搭載されています。『P1』と同様にハイブリッド車なので、308hpを発揮する1基の電気モーターと、1.674kWhの円筒形バッテリーも搭載しています。合計1,055hpの出力を誇るスピードテールは、静止状態から300km/hまで12.8秒で到達し、最高速度は400km/hにおよびます。

MSOのマネージング・ディレクターであるアンサー・アリは、次のように述べています。

「スピードテールは、お客様の想像力を形にし、それを実現し、完成品をお披露目してお客様と喜びを分かち合うというエキサイティングなものでした。アルバートはこのプロジェクトを締めくくるものであり、我々は最高の形で終えることができて感激しています」

マクラーレン・アルバート・スピードテールは、2021年8月8日、ロサンゼルスのサンセット・プラザにあるサンセットGTで初公開されます。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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