自動運転車を開発しているNuroは、無人配送ポッド「R2」が米当局から自動運転車の安全基準の適応免除が認められたことを発表しました。現行の安全基準ではハンドルやミラーなどの搭載が必須とされていましたが、免除によってそれらを備えなくても公道での試験が可能になりました。R2は数週間以内に米南部テキサス州ヒューストンで公道試験を行う予定です。
無人で商品を自宅まで届けるNuro R2
Nuroの無人配送ポッドの計画は2018年から開始されています。前モデルであるNuro R1はGoogleが開発しているセルフドライビングカーと似たような外見をしており、複数の貨物スペースを備えて無人で自動配送を行います。そして、ユーザーは紐付けられたPINコードを入力することでポッドから宅配物を受け取ることが可能です。
R1の後継機であるNuro R2は、変更点として耐久性を高めたことが挙げられます。耐久性を高めたことで、悪天候の中での配送や、貨物スペースやバッテリースペースを広げることが可能になりました。実際に貨物スペースはR1と比べて60%ほど増加し、最高時速は40kmから変わりませんが、配送距離を2倍にできるようです。
また、R2は360度カメラや熱画像カメラ、LIDARセンサーや各種超音波レーダーなどを備えており、結果として360度の視界が得られるようです。
Nuro R2は現在、大手スーパーマーケットチェーンのKrogerやWalmart、ドミノ・ピザと提携し配送試験を行っています。
初の安全基準の適応除外
自動運転車をめぐる法律は各国で協議されています。特に公道を走るための制約は多く、ほとんどの自動運転車には、安全のために人間が運転を引き継げるような仕組みを持っています。無人自動運転車に対応した基準では無いため、R2の試験は危ぶまれていましたが、今回の認可により公道での試験が可能になりました。自動運転車として初の認可ですが、ほかメーカーの自動運転車も続くのでしょうか。
新しいテクノロジーに対して制度が整っていない場合、素早く例外を認める。こういったスピード感がアメリカをテクノロジー大国に押し上げている理由なのかもしれません。
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