サボテンの一種であるウチワサボテン類が大きな注目を集めています。世界の多くの地域では、作物に十分な水を与えるのに十分な降雨量がないため、農業活動において全世界的に大量の水が使用されています。ネバダ大学の研究者たちは、持続可能な食品、飼料作物、さらにバイオ燃料にも応用できる、干ばつに強い作物を研究してきました。チームは特にウチワサボテンと呼ばれるサボテンに注目しました。この植物は耐熱性が高く、他の作物より多くの水を必要としないのです。
ウチワサボテンは少ない水でも生育可能
ネバダ大学が調査したすべての作物の中で、ウチワサボテンは驚きの生産性を見せつけました。いくつかの伝統的な作物よりも最大8割も少ない水で、最も多くの果実を作ったのです。他の作物よりもはるかに少ない水で生育するため、これまで多くの地域で燃料や食料のために栽培できるのです。この事実は世界的に大きな意味を持ちます。研究者たちは、気候変動により乾燥地域がより乾燥し、米、トウモロコシ、大豆、アルファルファなどの伝統的な作物に心配の目を向けていました。水と温度の不足のため、充分に成長できずに収穫されるようになる、そのような将来と共に不安視していたのです。
大きな可能性が認められたウチワサボテン
とげのないウチワサボテンの研究は、米国農務省の国立食品農業研究所によって、部分的な資金援助を受けていました。この取り組みは、米国におけるサボテン種の最初の長期的な野外試験でした。5年間も実施されたのですから驚きです。この作物は、化石燃料に代わる拡大可能なバイオエネルギー原料として詳細な研究対象とされました。現在、ウチワサボテンは水をほとんど必要としないと言っても過言ではありません。なぜならトウモロコシやサトウキビなどの主要なバイオエネルギー作物は、ウチワサボテンの3〜6倍の水が必要なのです。
この研究でウチワサボテンの可能性が明らかになりました。トウモロコシやサトウキビなどのバイオエネルギー作物と同等である一方、より少ない水で生育し、かつ耐熱性や気候に対する耐性が高い点がわかりました。「サボテンは用途が広く、多年生であるため、バイオエネルギー作物として機能する」と研究者たちは述べています。このサボテンは、バイオ燃料用に収穫されていない場合は、大気から二酸化炭素を除去する、陸上の炭素吸収源としても機能します。
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