日経新聞は、トヨタ自動車が2021年に2人乗りの小型EVを発売する計画だと報じています。航続距離は期待できませんが、これまで『プリウス』をはじめとするハイブリッド車に注力してきたトヨタのラインナップに、新たな風を吹き込むモデルとなるかもしれません。
このEVの登場は2019年半ばから予告されていました。報道によると、「軽自動車」の規格に相当するコンパクトな2シーターであるとのこと。旋回半径は小さく、使いやすさに焦点を当てていると思われます。
若者や初めてクルマを運転するドライバー、高齢者にも運転しやすいものとなりそうです。都市部や山間部での使用を目的に、EVの航続距離は約100kmとされていますが、その方が需要に合っているのかもしれません。
当初の導入はかなり小規模で、2021年の発売では100台程度にとどまり、まずは法人と地方自治体向けに販売するとしています。価格は補助金を除いて160~170万円程度となる見通しです。
重要なバッテリー技術に関しては、パナソニックとトヨタの合弁会社であるプライムプラネットエナジー &ソリューションズが製造したリチウムイオンバッテリーを採用します。
小型のEVは珍しいものではありませんが、その多くは屋根付きゴルフカートのようなものに過ぎません。スマート・フォーツーは比較的高い価格と短い航続距離が普及の妨げとなっており、苦戦を強いられてきました。しかし、トヨタが提案するコンパクトEVのアイデアは、今回が初めてではありません。
2人乗りのトライク型乗用車『i-ROAD』は2013年にコンセプトとして開発され、2015年には東京都内で限定的な都市実証実験が行われました。しかし、本格的な市販化には至りませんでした。
今年10月、レクサスから完全EV『UX300e』が発売されていますが、国内では135台の限定販売で、購入者は抽選で選ばれます。
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