ルーシッド・モーターズは、9月9日に発表予定の新型EV「エア」に使用される大型バッテリーとボディ構造を明らかにしました。エアは航続距離が最長830kmになるとされており、実現すればテスラ「モデルS」やポルシェ「タイカン」を圧倒する高性能EVセダンということになります。
エアにとって最も直接的な競争相手はモデルSになると思われますが、ルーシッドは過去にBMW、アウディ、メルセデスベンツなどの伝統的な高級車メーカーに対抗する意図をほのめかしています。
800km以上の航続距離を可能にする要素の1つはボディの空力特性にありますが、大型バッテリーも見逃すことはできません。113kWhのバッテリーが搭載されており、これは日産「リーフ」の2倍近い容量です。
このバッテリーはルーシッドが社内で開発したもので、LEAP(Lucid Electric Advanced Platform)と呼ばれる最新プラットフォームに組み合わされます。これはいわゆる「スケートボード型」のプラットフォームです。バッテリーは前後アクスル間の低い位置に配置され、重心を下げています。
バッテリーをできるだけ低い位置に搭載するというのは、他の自動車メーカーも積極的に取り組んでいることです。低重心はもちろん、車内空間を広く取ることができるためです。
ルーシッドの場合は、さらに進んでいると言われています。エアには739L以上のラゲッジスペースがあり、フロント(ボンネット下)だけでも280L以上の容量があります。同社によると、「市販のEVでは過去最大規模」であるとのこと。
また、旅客機のようなリクライニング式のラグジュアリーシートを備えていることも分かっています。ルーシッドは車内空間の快適性向上に注力しており、他社のライバルより一歩抜きんでている部分と言えるでしょう。
エアの納車開始は2021年初頭とされていますが、他のEV新興企業を見てもわかるように、スケジュールを守るのは難しいかもしれません。一方で、今後は「比較的小型のバッテリーで競争力のある航続距離を実現するモデル」など、複数のバージョンも登場する予定だと、同社のCEO兼CTOであるピーター・ローリンソン氏は語っています。
エアが正式デビューする9月9日には、さらに詳しい情報が発表されるでしょう。
コメントを残す