メルセデス・ベンツは、中国のバッテリーサプライヤーとの契約を新たに結んだと発表しました。バッテリー技術で協力し、現在開発中の新型EV「EQS」の航続距離を伸ばしてテスラ「モデルS」に対抗します。
皮肉なことに、テスラとCATLを知らない人はほとんどいません。
実際、CATLのいわゆる「ミリオンマイルバッテリー」を最初に使用するのはテスラだと予想されています。このバッテリーは従来のリチウムイオンよりも大幅に長い寿命を持ちます。
しかし、航続距離で勝利するのはメルセデスになるでしょう。少なくとも、当分の間は。
テスラのモデルSは現在、欧州WLTPで最大610kmの航続距離を実現していますが、メルセデスによれば、次期EQSは700km以上を目標にしているとのことです。
EQSは2019年9月に「ビジョンEQSコンセプト」としてデビューしました。環境に配慮したラグジュアリーをどう表現するか、というメルセデスの1つの答えでした。
ツートンカラーのペイントワークが市販化される可能性は低いと思われますが、空力に特化したスタイリングとリサイクル素材は実現するでしょう。0-97km/hは4.5秒以下、最高速度は200kmとされていますが、高いポテンシャルを持つAMGバージョンも噂されています。
バッテリー技術では、高出力の実現とともに充電速度も重視されます。メルセデスとCATLの目標は、EQSの充電速度を現行のEVの2倍にすることだといいます。
メルセデスは声明で、次のように述べています。
「我々はすでに、今後数年以内に多くの車両に導入されるであろうバッテリーの開発に取り組んでいます。目標は、エネルギー密度の向上によって航続距離を大幅に伸ばし、充電時間を短縮することです」
正確にはどのくらいの速さで充電できるのかはまだ明らかになっていませんが、ビジョンEQSの場合は350kWの充電に対応するとされています。これは、強力な充電器を使用すれば、20分以内に80%の充電が可能です。
CATLはドイツのテューリンゲン州に工場を建設中で、完成すればメルセデスに直接供給できるようになるでしょう。また、工場からEVの製造場所までバッテリーを運ぶ際のCO2排出量の削減にも貢献します。
EQSは、メルセデス・ベンツのフラッグシップEVとして、来年に発売される予定です。価格や仕様は未定。
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