空間をまるごと撮影できる360度カメラ。リコーが発売する「RICOH THETA(リコー・シータ)」は、ワンショットで簡単に360度写真が撮れる世界初の一般ユーザー向けカメラとして知られています。その開発コアメンバーが中心になって発足したスタートアップ「ベクノス」は10日、スリムなペン型デザインの360度カメラの開発を発表しました。
SNS利用の若い世代が鍵、360度カメラの未来
360度カメラは、複数のレンズで撮影した写真や動画を貼り合わせる、ステッチングを用いて主にウェブやVRコンテンツの制作などに活用されています。現在は、1度のシャッターで自動的に360度写真、動画を撮影できるカメラが多く開発され、SNSなどで個人がアップロードすることも珍しいことではなくなってきました。
「RICOH THETA」を開発し、一般ユーザーが使える360度カメラをいち早く発表した業界先駆者のリコーは、360度カメラ製品に注力する子会社「ベクノス」を立ち上げました。ベクノスの新CEOである生方秀直(うぶかた・ひでなお)氏によると、ベクノスブランドはリコーから大きな独立性をもって運営されるといいます。
360度カメラは現在、様々なメーカーから発売されており、これらのカメラで撮影した画像や動画はフェイスブックやユーチューブといった主要なプラットフォームでサポートされています。しかし、一部のカメラ愛好家を除く多くのユーザーは、スマートフォンで撮影した普通の画像や動画をアップするのが一般的です。それでも、リコーは2013年の発売からシータの製品ラインで360度カメラを生産し続けています。
今後、360度カメラが更に普及するか否かは、こうしたスマートフォンカメラを使用してSNSを利用している若い世代が鍵になってくるでしょう。
計4つのレンズ、スリムなペン型デザイン
ベクノスが最初に発売する製品は、側面に3つ、天面に1つの計4つのレンズを搭載したスリムなペン型デザインの360度カメラです。他の360度カメラと同様に新しいベクノスのモデルも、撮影者の目の前の空間だけでなく、撮影者を含んだ周りの環境全体をとらえることができます。画像は360度のパノラマに合成され、スマートフォンやVRヘッドセット、さらに通常のウェブブラウザで360度の画像を見ることができます。
カメラには専用のモバイルアプリが付属しており、これを使えば360度の画像を簡単に作成できます。作成されたコンテンツは、「TikTok(ティックトック)」のようなプラットフォームと直接共有することができます。
発売は今年の予定ですが、詳しい時期や価格は未定です。
スタイリッシュな見た目と優れた携帯性のベクノスの新しい360度カメラは、マニアックなファンだけでなく、動画投稿やSNSを活用する若い世代の新たな表現ツールとしても期待できます。
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