ジョージア工科大学の研究チームは、ドローンによる新しいモジュール式配送ソリューションを開発しました。このシステムでは大きさの異なるドローンのフリート(艦隊)を必要とせず、小さなドローンのチームによって様々なサイズの荷物が運搬できるようになるのです。人口密集地域での騒音や安全性の懸念を払拭するだけでなく、様々な課題解決への転用が期待されています。
Amazonのようなオンラインサービスで注文する人が増えている中、将来的には新しい方法で荷物を配達することが話題になっています。Amazonは、ドローンを使って空輸で荷物を届けることを検討していますが、課題は、荷物を運ぶのに十分なパワーと航続距離を備えたドローンを作る点でしょう。
大小のドローンフリート(艦隊)を必要としないシステム
今回発表されたシステムでは、適応制御アルゴリズムを用いることで、ドローンのチームが連携してより重い荷物を持ち上げることができます。そして複数の標準サイズのドローンを組み合わせ、さまざまな種類の荷物を配送できるよう設計されているのです。研究チームによると、未来の配達用ドローンは5ポンド以下(約2.2Kg)の荷物を扱えるようになると見通しています。その一方で、より重量のある荷物は従来と変わらずトラックやバンで配達する必要があるだろうと語ります。
そこで複数の小型ドローンを活用したシステムを利用するのです。大型の自律型ドローンを人口密集地で運用する際の騒音や安全面での懸念を払拭できるでしょう。こうしたシステムは、一部では有事での利用も想定されている反面、大規模災害が発生した際に、力強いソリューションとして活用されることでしょう。
研究チームは、配送トラックの荷台に12台のドローンを搭載し、特定の荷物の重さに応じてドローンの構成を変えるシステムを構想しています。彼らによると、配達する荷物の重さにある程度の柔軟性がもたらされれば、異なるサイズの配達用ドローンを製造・維持する必要がなくなるとしています。
ドローンが荷物を自律的にドッキング
中央コンピュータシステムは、荷物を運搬する各ドローンを監視し、位置やモーターの推力といった情報を共有します。並行して、ナビゲーションや荷物の配送のためのコマンドを調整します。ドローンは、赤外線誘導システムを利用し、荷物に取り付けられたドッキング構造に自律的に接続します。これにより、人間が手を動かす必要はなく、荷物を運びための準備が完了するのです。
このようなシステムを応用すれば、ユーザーの自宅から荷物を返却することも可能でしょう。テストでは、4台の小型クアドローター・ドローンを利用し、約60センチ立方(2フィート×2フィート×2フィート)にして重さ12ポンドの箱を持ち上げました。研究はさらなる発展を期待されています。「主要な技術はすでに揃っており、十分な投資があれば、5年以内に複数のドローンによる配送システムを作り上げられると思います」と研究チームのRogers氏は胸を張りました。
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