動画アプリ「TikTok」が、米国の動画クリエイターを対象に2億ドル(約2億円 2020年7月24日現在)の新たなクリエイターファンドを立ち上げました。プラットフォーム上のユーザーを支援し、動画の収益化のサポートをする狙いです。同社は8月から、申請を受け付ける予定ですが、誰もが資格を得られるわけではないようです。今回の発表は米国を対象としており、日本での展開はまだ明らかにされていません。
クリエイターファンドへの申し込みに諸条件
「TikTok Creator Fund」は水曜日、同社の米国ゼネラルマネージャーであるVanessa Pappas氏によって発表されました。新しいファンドは5000万ドル(5,300万円 2020年7月24日現在)を提供する「Creative Learning Fund」とは異なると説明しています。このクリエイターズファンドは、18歳以上を対象としており、一定以上のフォロワー数を持つなどの条件が設定されています。現在は米国のクリエイターのみを対象としています
コンテンツの投稿に関しても条件があるようです。対象のクリエイターは「TikTokコミュニティガイドラインを満たす、オリジナルコンテンツを定期的にアップしている」こともポイントです。このファンドの審査に挑戦する場合、8月の募集開始時に応募する必要がありますが、現時点でどのくらいの金額がもらえるのかは未知数です。
話題に事欠かないTikTokの今後
TikTokのクリエイターの中には、スポンサーシップやパートナーシップ、場合によっては代理店との契約など、プラットフォームを収入源にしている人も少なくありません。TikTokは、クリエイター基金の意義を強調するために、これらのクリエイターの中からいくつかのクリエイターにスポットを当てています。同社は説明の中で「インスピレーションに満ちたキャリアに火をつけるために、声と創造性を使い大きな夢を成し遂げようとする、そのような人たちを後押しするため」という、ファンド設立の背景を語ります。YouTubeのような巨大なエコシステムとなるのでしょうか。
今回の発表は、運営元のByteDanceが所有するTik Tokをめぐり様々な論争がある中で行なわれました。「若者向けの新興SNS」とのイメージがある同サービスですが、このアプリを巡って米国や海外では国家の安全保障上の懸念が高まっています。一部では、TikTokがスパイの脅威になる可能性があると主張されており、米国では特定の企業や政府所有のデバイスから禁止されています。政治的な理由もあり最近ではインドでも禁止されてしまいました。もちろん、TikTokの潜在的な危険性(同社が糾弾している)は、現時点では仮説に過ぎないと述べている人もいるので、あらゆるポイントで「話題のSNS」であると認めざるを得ません。
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