世界中で消費されている安価な主食である米には、ヒ素と呼ばれる有害な毒素が自然に含まれています。この毒素はごく微量で検出されるため、お茶碗一杯のコメが健康に害を及ぼすことはありません。しかし、コメに含まれるヒ素の量にはばらつきがあり、これまでの研究では安全にコメを摂取できる量について問題提起されていました。そうした中で、研究者の中で声が上がったのが、コメのラベルに警告表示を付けるということです。
28種類のコメから基準値を超えるヒ素を検出
イングランドにあるシェフィールド大学の研究者たちは、イギリスの食料品店で一般的に消費されている白米や玄米など、合計55種類のコメのサンプルを調べました。その結果、28種類のコメに含まれるヒ素の濃度が、幼児や乳児が安全に摂取できる量に関する欧州の規制を超えていることが判明しました。
その28種類のコメうち、ヒ素濃度からみて1歳未満の乳幼児が食べられる量は1日20グラム以下に制限する必要があるとしています。子供は特に、低体重のために危険なレベルのヒ素を摂取する危険性があります。
もっともヒ素が含まれていたのは玄米。その理由は
この研究では、ヒ素含有量の多い米を調べたところ、ふすま層の存在により玄米が最も多くの毒素を含むことが分かりました。また、有機米は非有機米に比べてヒ素濃度が高く、白米はヒ素濃度が最も低いことも分かりました。
本研究の筆頭著者であるManoj Menon博士は次のように述べている。
玄米やワイルドライスは、繊維とビタミンが豊富な健康的な食品であり、通常大人が玄米を避ける必要はありませんが、英国で販売されている非常に多くの品種が食品安全規制に違反していることを確認できたことは懸念しています。政府と欧州委員会は、家族が十分な情報に基づいて食品を選択できるように、米のヒ素レベルについて人々に警告するラベルを導入する必要が出てきました。
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