アウディ「RS Q8」は、Qシリーズとしては2台目となるRSモデルです。ツインターボのマイルドハイブリッドV8を搭載した熱血的なSUVですが、ドイツのチューニングメーカー、マンハート(Manhart)はこの車の性能を極限まで高めています。標準的なRS Q8が594馬力を発揮するのに対し、マンハートが生み出した「RQ 900」はどのようなパフォーマンスを見せてくれるのでしょうか。
その名が示すように、この高度にチューニングされたRS Q8は、最高出力900馬力/最大トルク1,080Nmを叩き出します。この5人乗りSUVは、ABTスポーツライン(ABT Sportline)社の手がけた「RS6-R」や「RS7-R」よりもパワーがあります。この2台はそれぞれ「RS6 アバント」と「RS7 スポーツバック」を元にしており、RS Q8と同様の4.0L ツインターボハイブリッドV8が搭載されていました。そのことを考えると、マンハートがどれほど手を加えたのかが分かりますね。
ベースのRS Q8は最高出力594馬力/最大トルク800Nmを発揮。これだけのパワーがあれば、2.5トン近い車重にもかかわらず、時速0~96km/hを3.8秒、200km/hまで13.7秒で到達することができます。アウディのフラッグシップSUVは。高いポテンシャルと巧みなシャシー技術によって、イルカのようにおとなしくさせることもできる二面性を有しています。
マンハートはそのRS Q8に対し、ターボチャージャーの大型化、排気システムの非制限化、そしてエンジンチューンを施しました。また、エンジンのパワーアップに呼応して、8速ティプトロニックATもアップグレード。ECUのマッピングも変更したことで、ツインターボV8は900馬力を発揮するようになりました。
また、ボンネット、サイドスカート、フロント&リアスポイラー、ディフューザー、ホイールアーチエクステンションなど、ボディ各部にはマンハート独自のカーボン製パーツが取り付けられています。さらに、サスペンションのアップグレードにより、車高が30mm低くなりました。
エクステリアとしては、マットシルクブラック仕上げのアルミホイール「コンケーブ・ワン(Concave One)」を装備。ブレーキは、ベースのRS Q8にセラミック製のものがオプションで設定されているため、手を加えていません。また、ゴールドのアクセントとデカールはオプションとなっています。
インテリアでは、マンハート社製の革張り、特注のアクセント、専用フロアマットが装備されています。マンハートはRQ 900を10台のみの限定製造としており、カスタム価格は303,000ドル(3,200万円)からとなっています。