BMWは、コンパクトEV『i3』の米国での生産を2021年7月までに終了すると発表しました。また、他の市場でも2022年には終了する予定です。i3は、BMW初の量産型EVとして歴史に名を残すでしょう。
i3は、2011年のドイツ・オートショーでコンセプトモデルとして発表され、2013年にライプツィヒ工場で生産が開始されました。小型の量産車としては珍しく、軽量・高強度のカーボンモノコックをボディに採用している点が大きな特徴です。当初は22kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、航続距離はわずか130kmでした。
2017年には、より大型でエネルギー密度の高い33kWhのバッテリーを採用し、最大183kmの航続距離を実現しました。また、2気筒ガソリンエンジンを搭載したレンジエクステンダー・モデルもあります。エンジンで発電することで、航続距離は約290kmまで伸びます。
2018年、バッテリーが44kWhにアップグレードされ、航続距離も240kmになりました。日産『リーフ』やシボレー『ボルトEV』、そして次々と発表される最新のライバル車と比べると、航続距離は見劣りしてしまいます。おそらくこれが生産終了の最も大きな理由でしょう。
BMW i3のパワートレインは、ミニ『クーパーSE』にも搭載されており、181hpと最大270Nmのトルクを発揮します。また、T字型の32.6kWhバッテリーを床下に搭載し、235km(ロングレンジバージョンは270km)の航続距離を実現しています。
しかし、後輪駆動のi3とは異なり、クーパーSEは前輪駆動です。当然ながらカーボンモノコックは採用されておらず、i3のユニークな魅力は変わりません。BMWには、電動セダン『i4』やSUV『iX』といった次世代モデルがありますが、i3のようなコンパクトEVが再び登場するかどうかは現時点では明らかではありません。
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