米ニコラ・モーターズは、リサイクル業界向けに開発を進めていたゼロエミッションのごみ収集車を中止すると発表しました。先日、GMとの提携見直しが発表されたことで株価を急落させたニコラですが、ごみ収集車の開発中止により、さらに追い込まれています。テスラのライバルとなるはずだった新興企業の夢は終わりを告げてしまうのでしょうか。
8月に発表された廃棄物処理大手リパブリック・サービス社との契約では、EV専用プラットフォームをベースにしたごみ収集車を共同開発し、少なくとも2,500台を製造することになっていました。
ニコラが提案したEVは、1回の充電での航続距離は240kmで、従来の内燃機関車の約3倍のパワーを持ち、静粛性の高さを特徴としていました。また、車体とシャシーを一か所の工場で同時に製造するという手法も、業界では画期的な進歩として注目を集めました。
しかし、ニコラとリパブリック・サービスは12月23日、すべての契約が終了したとを発表しました。ニコラは、次のように述べています。
「両社は、かなりの協力と検討の結果、様々な新技術と設計コンセプトを組み合わせることで、予想以上の開発期間と予想外のコストがかかると判断しました。その結果、このプログラムを終了し、以前に発表した車両の注文をキャンセルすることになりました」
ニコラは、この分野での成長を強く期待していました。ごみ収集車のロードテストは2022年初頭に開始され、2023年から生産・納車する予定でした。今回のキャンセルされた契約には、受注を最大5,000台まで拡大する条項も含まれていました。
ニコラの株価(NKLA)は、契約解除のニュースを受けて急落し、23日時点で約10%下落。引き続き下落傾向にあり、一時期1株94ドル近くかったのが、その6分の1にまで落ち込んでいます。
9月には創業者トレバー・ミルトン氏が不正行為疑惑を受けて退任。これを機に同社の雲行きはどんどん怪しくなっていきました。11月、GMはニコラのピックアップトラック「バジャー」の製造計画をキャンセルし、20億ドルの投資も取りやめました。GMの水素燃料電池技術については、引き続き提供されることになっています。
ニコラによると、GMの水素燃料電池技術を搭載したトラックは2023年から米アリゾナ州で生産を開始する予定であるといいます。
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