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GM、22億ドル規模のEV生産計画を明らかに

米GM(ゼネラル・モーターズ ) は、22億ドルを投じて、バッテリー駆動の電気自動車を製造する工場を建設する計画を明らかにしました。この投資により、ミシガン州デトロイトのハムトラック工場がGMのEV生産計画の最新鋭施設となるだけでなく、雇用も大幅に増加すると見込まれます。

傘下のCruiseが先日発表したEV「Orijin」は、実用化されれば無人の配車サービスに利用される見込み。
とはいえ、その道のりは決して生易しいものではなさそうだ。

現在、デトロイトのハムトラック工場では約900人が働いています。GMは当初この工場の閉鎖を計画していましたが、2019年半ばの組合交渉で問題に直面しました。かつて自動車産業で栄華を誇ったデトロイトは、今やその面影をほとんど残していません。

EVがデトロイトを救う? 2,200人の雇用を創出

しかし、この工場はEVの生産により再起動しようとしています。GMによると、同工場では2,200人以上の製造職の雇用が創出される見込みで、主にEVのトラックとSUVを生産する計画だといいます。最初にこれらのモデルが発売されるのは2021年後半の予定で、完全EVのピックアップトラックが先陣を飾るものと思われます。

これにより、EV仕様の厳格なロードマップが始まり、GMの社長であるMark Reuss氏は、「数年後」に「複数のEVトラックモデル」が登場すると示唆しています。

ピックアップトラックやSUVの電動化に対して、世の中はどちらかというと歓迎ムードにあるようだ。
世界の自動車メーカーが完全電動SUVを相次いで発表しているのは、市場の要求に応えるためだ。

最近では、Chevrolet ImpalaやCadillac CT6の生産を担当しているハムトラック工場ですが、最近の販売チャートでは好調と言えず、SUVやトラックの販売比率上昇に陰を落としている状況です。同社はこれまで、2月末からの操業停止を提案していました。

今後の予定では、工場の改装を開始することになっています。塗装や組み立てなどのエリアはすべて、包括的なアップグレードを受けるために準備を整えているとのこと。新しい製造機械やコンベア、制御装置、および工具が導入されるようです。また、GMによると、設備のアップグレードに加えて、新たなEVトラックの生産に関連するサプライヤーやその他のプロジェクトに、計8億ドルを投入するといいます。

GMのEVといえば、グループ傘下のCruiseが先日、ホンダと共同開発した「Orijin」というEVの自動運転ポッドを発表しました。Orijinは都市部での無人の配車サービスに利用されるものと予想されていますが、GMもCruiseも、いつ、どこでサービスが開始されるのかを明らかにしていません。Orijinはまだコンセプトの段階ですが、実用化すればハムトラックが生まれ故郷となるかもしれません。

さよならハイブリッド。これからはEVの時代

GMにとって、これは長い間目標に掲げてきた完全電動化の未来を実現する、最後のスタートとなるでしょう。現在同社が販売している電気自動車は、小型ハッチバックのChevrolet Bolt EVだけ。この車は2016年の発売以来、着実に改良を重ねており、最近では新しいバッテリーのおかげで航続距離が延長されました。GMのEV技術はアップデートされてきたものの、はるかに高い人気を得るであろうクロスオーバーのEVには至りませんでした。

ハイブリッドとの絶縁を公表しているGM。強力なライバルが乱立する中、競争力を高めるためにEVに全力を注ぐ姿勢だ。

現在、Chevrolet Boltのハイブリッドモデルは廃止が決まり、Cadillac CT6 プラグインハイブリッドもひっそりと廃止されました。これらのハイブリッドモデルの廃止にあたり、GMは「ハイブリッド車は終わり」と言っています。ハイブリッドは既存のエンジン搭載車のための対策に過ぎず、今後はすべてのリソースをEVにそそぐとのこと。また直近では、電動SUVの販売を皮切りに、CadillacをEV戦略の前衛にしたいと考えていることも明らかにしました。

グループ全体としては、GMは2023年までに20種類の電気自動車を発売すると発表しています。また、これまで”放牧”されていたいくつかの名車(特にHummer) が復活する予定もあります。GMは、かつてガソリンを大量に消費していたモデルの数々を、電気により「再発明」することを検討中だと考えられます。