波乱万丈の道を歩んできたEV新興メーカー、米フィスカーはついに、電動SUV「オーシャン」を製造してくれる会社を見つけ、2022年末までの生産開始に向けて契約を結びました。今年初めにCESで発表されたフィスカー・オーシャンは、現在の高級電気SUVの価格を大幅に下回る価格設定となっています。
フィスカーによると、オーシャンは37,499ドル(395万円)で発売される予定であるとのこと。また、リースの場合は2,999ドル(31万円)を値下げし、月々379ドル(4万円)で手に入れることができるといいます。
この価格設定は確かに魅力的でしたが、フィスカーはまずオーシャンを生産する方法を見つける必要がありました。7月に示された可能性の1つとして、フォルクスワーゲンとの契約が挙げられました。その際は、同社の新型クロスオーバー「ID.4」などで使用されるEVプラットフォーム、MEBを採用することになると思われました。
しかし、最終的にフィスカーが契約したのは、カナダの自動車部品メーカーであるマグナでした。マグナはトヨタ「GRスープラ」とその姉妹車BMW「Z4」の製造を担っていることで知られるメーカーで、ダイムラーやジャガー・ランドローバーなどの一部のモデルも生産しています。
両社は、フィスカーのIP(知的財産)とマグナのEV技術を組み合わせた新しいFM29プラットフォームを共同開発する予定です。アルミニウムを多用するというこのプラットフォームは、将来的にはオーシャン以外のモデルにも柔軟に対応できます。
フィスカーは、オーシャンは80kWhのリチウムイオンバッテリーを使用して、400~480kmの航続距離を実現するとしていますが、ソーラーパネルルーフにより電力を補充することもできます。
フィスカーは「新しいFM29プラットフォームは、クラスをリードする航続距離、3列目シートを備えた室内空間、車両全体の性能を提供すると予測されています」と述べています。オーシャンの生産は欧州で行われます。
フィスカーとエネルギー関連企業スパルタン・エナジー・アクイジションの合併が計画通りに進めば、マグナは フィスカーの資本株の最大6%を購入できることになります。両社はまた、EVなどの新技術についても協力していく計画だといいます。
コメントを残す