アップルは22日、オンラインで開かれた開発者会議「WWDC 2020」にて、iPhoneまたはApple Watchをクルマのキーとして利用できる「デジタルキー」を発表しました。万が一バッテリーが切れた後も、5時間は機能を維持するとのこと。BMW 5シリーズから導入予定です。
iOS 14と同時に発表されたデジタルキーは、一部の自動車メーカーで使用されているNFC(近距離無線通信規格)をベースに構築されています。
iPhoneまたはApple Watchを使うことで、クルマのドアのロックを解除し、エンジンをかけることができます。
また、キーの共有も簡単です。オプションでは、 iMessageを介して最大5人にアクセスを許可することができます。その際には、最高速度や馬力の上限、ラジオの音量などの制限をかけることが可能です。
このアクセス権限はApple Walletから管理でき、オーナーの意思によって簡単に取り消すこともできます。
iPhoneの電源が入らなくても利用可能
アップルによれば、iPhoneが充電切れになった場合でもデジタルキーの機能は利用可能だといいます。このパワーリザーブ機能を使えば、充電切れで電源が入らない状態でも、最大5時間はドアを開けることができるとのこと。
iPhoneのデジタルキー機能が最初に導入されるのは、BMWです。具体的には 2021年モデルの5シリーズからとなります。
まず、運転席側のドアハンドルから4cm以内にiPhoneを近づけるとNFCロック解除が可能になります。続いて、車内のリーダーやワイヤレス充電器の上にiPhoneを置くとエンジンを始動させることができます。
デフォルトでは、iPhoneのロックを解除しなくても一連の操作ができる「エクスプレスモード」がオンに設定されています。これを無効にすることもできますが、画面を操作する手間が少し増えます。
超広帯域を使用した次世代デジタルキーも開発が進められており、早ければ来年にはデビューする可能性があります。まだ未確定ですが、iPhoneをポケットやバッグの中に入れたままロックを解除できるようになるとされています。
BMW、7月生産車から順次採用
先述の通り、デジタルキーの導入はBMW 5シリーズから始まります。
BMWによると、1、2、3、4、5、6、8の各シリーズのほか、X5、X6、X7、X5M、X6M、Z4など全13車種が対象になるとのこと。2020年7月1日以降に製造されたモデルに採用されます。
iPhoneはXR、XS、XS Max、11、11 Pro、11 Pro Max、SE(第2世代)が該当します。Apple Watchはシリーズ5以降が対象。OSには、iOS 13.6、またはWatchOS 6.2.8が必要となります。
プライマリーキーとして動作するiPhoneは1台のみ。
キーをデジタル化することで、クルマの所有・共有・貸し借りの方法も変わってくるかもしれません。スマートフォン1台でクルマへの向き合い方が変わる、そんな時代に突入しています。
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