密かに需要がありそうなテスラ「モデル3」コンバーチブル化

テスラの小型セダン「モデル3(Model 3)」には、現時点ではコンバーチブルモデルは設定されていません。電気で動くオープンカーを所望であれば、同社初の市販車「ロードスター」が少ない選択肢のうちの1つです。おそらくイーロン・マスクがモデル3のコンバーチブルを作ることはないでしょうが、代わりにチューニングメーカーがあなたの希望を叶えてくれるかもしれません。

その会社とは、ニューポート・コンバーチブル・エンジニアリング(Newport Convertible Engineering)です。普通の車をオープンカーにすることをビジネスにしてきたアメリカのチューニングメーカーです。その他、セダンやSUVを2ドアのクーペにしたり、防弾仕様車を製作したりとさまざまな(風変わりな)カスタムを行っています。2014年には「モデル S」のコンバーチブルを公開し、注目を集めました。

今回カスタムのベースとなったモデル3は、テスラのラインナップの中でも小型で手に入れやすいエントリーモデルです。カスタムによりルーフとリアガラスは撤去され、代わりに布製のソフトトップを装備。これで、エンジン音に邪魔されることなく、自然の音を聞きながらドライブを楽しむことができるのです。

セダンをコンバーチブル化するにあたって、多くの制約があったようです。最も顕著なのは、フロントドアとリアドアの間にBピラーが残っていること。これは、おそらく剛性を維持するために必要とされているからだと思われます。剛性が十分でなければ、ボディは大きくねじれてしまいます。

Bピラーが残されているもう1つの理由として、テスラのオートパイロット用のカメラが埋め込まれていることが挙げられます。これを取り除いてしまうと、モデル3の魅力の1つである運転支援システムを失うことになります。

そして何より、コストも必要です。ニューポート・コンバーチブル・エンジニアリングによれば、このカスタムには約30,000ドル(321万円)かかるとのこと。当然ながら、モデル3の本体価格とは別で必要になります。これはマニュアルトップの価格で、電動式を希望する場合は約40,000ドル(429万円)となっています。また、ボディの補強とカットなど一連の作業に2~3ヶ月かかるといいます。

それだけの価値があるかどうか、あなたはどう思いますか? 確実に言えるのは、モデル3 コンバーチブルはめったに見かけることのない希少な車であるということです。

電気自動車のコンバーチブルの需要は間違いなくあるでしょう。しかし、今のところこのカテゴリーに挑戦するメーカーはほとんど見られません。テスラの次期ロードスター(発売日は現時点ではまだ漠然としていますが)には、取り外し可能なルーフパネルが搭載される予定です。どちらも手頃な価格とは言えませんが、電動コンバーチブルを手に入れる方法の1つとしてカスタムを選択肢に入れてみるのはいかがでしょうか。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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