ジャガー唯一のEV『I-ペイス』 最新モデル発表 グレード簡素化

ジャガーは、電動SUV『I-ペイス』に改良を施した2022年モデル(北米仕様)を発表しました。インフォテインメント・システムを一新したほか、グレードを1種類に絞っています。

ジャガー『I-ペイス』

米国で設定されているのは「HSE」グレードのみで、価格は69,900ドル(765万円)からとなっています。11kWのオンボードチャージャー、PM2.5の車内エアフィルター、インフォテイメント「Pivi Pro」を標準で搭載するなど、装備を充実させています。

外観は変更されておらず、オプションで2つのデザインパックが用意されています。「ブライトパック」では、ノーブルクロームのグリルアクセント、アトラスグレーのミラーキャップとリアディフューザー、サテンクロームのウィンドウサラウンドを追加します。一方、「ブラックパック」では、エクステリアのトリムをグロスブラックに変更し、ブラックバッジも追加されます。

どちらのデザインパックでも、アルバ、カルデラレッド、ポルトフィーノブルー、アイガーグレーなどの新色が追加されています。コントラスト・ダイヤモンドターン仕上げの20インチ5スポークホイールや、LEDヘッドランプも標準装備。

ジャガー『I-ペイス』

4輪駆動システムに変更はなく、デュアルモーターで合計394hp、694Nmのトルクを発揮します。0-97km/h加速は4.5秒。航続距離は変わらず、EPA(米環境保護庁)のテストサイクルで377kmとされています。100kWのDC急速充電に対応しており、15分で最大101kmの航続距離を追加することが可能です。

インテリアでは、ウィンザーレザーが施された16ウェイのパワーシート(ヒーター&クーラー付き)、16個のスピーカーとサブウーファーを備えた825Wのメリディアン製3Dサラウンド・サウンド・オーディオシステムを採用。インフォテイメントはApple CarPlayとAndroid Autoに対応し、2台のBluetoothデバイスと同時に接続できるほか、航続距離ベースのナビゲーションなどさまざまなEV専用機能を備えています。オプションでは、360度カメラやカメラ付きリアミラーなどを用意。

安全技術としては、ステアリングアシスト付きアダプティブ・クルーズ・コントロール、ヘッドアップ・ディスプレイ、自動緊急ブレーキ、ブラインド・スポット・アシスト、レーン・キープ・アシスト、アダプティブ・スピードリミッター付き交通標識認識機能などを搭載しています。

ジャガーは積極的な電動化計画を発表していますが、現在、ラインナップの中ではI-ペイスが唯一のEVとなっています。そのスタイルとパフォーマンスは高く評価されていますが、ライバルの最新EVに対抗するには航続距離がやや不足気味。ジャガーとしては、新型『XF』や『F-ペイス』と同様に、次期EVモデルが登場するまでの間、ラインナップを簡素化して現状を切り抜けようとしていると思われます。

2022年モデルのI-ペイスは現在、米国で注文受付を開始しています。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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