Mercedes-Benz Weekenderが北米上陸:ミニホテルのようなキャンピングカー

何年もの間、北米の人々はポップアップキャンピングカーに乗っているヨーロッパのドライバーに対し、羨望の眼差しを向けてきました。この度、ついにMercedesがその要望に応えたようです。Mercedes-Benz「Weekender」は、 Vクラスの北米版である「Metris」 をベースに、ロードトリップ用に改良されたポップアップキャンピングカー。欧州ではすでに「Marco Polo」の名で販売されていますが、満を持して北米上陸を果たしました。

欧州では「Marco Polo(マルコ・ポーロ)」の別名で販売されている。「Weekender」といい、車名の付け方が楽しい。

これは、キャンピングカーのビルダーである「Driverge Vehicle Innovations」と「Peace Vans」の手によるモデルです。バスやトレーラーのような大型キャンピングカーと違って、都市部(そしてさまざまな駐車場)にもフィットするサイズですが、それでも最大で4人が寝られるスペースを確保しています。

取り回しの利かない大型のキャンピングカーではなく、都市部に住むキャンパー向けのジャストサイズなモデルだ。

屋根を高く(ポップアップ)すれば、2人が寝られるスペースが生まれます。一体型スプリングシステムの上に厚さ2インチのメモリーフォーム(低反発のポリウレタンフォーム)マットレスと、3つの窓が付いています。多目的の後部座席はベンチシートになっていて、これを畳めば2人用のベッドになります。ベースのMtris(Vクラス)のサイズ感を活かし、荷物をたくさん積むことも可能です。

前部座席は180度回転させることで、ラウンジのような車内にすることができます。Weekenderには、照明やUSBポートなどに電力を送るセカンドバッテリーも搭載されています。さらに一歩先を行きたいキャンパーのために、Mercedesは独立型電源やソーラーパネルなどのオプションを用意しています。

また、車の側面から8フィート(約2.4メートル)の日よけを引き出せるオプションもあり、こちらを選べば即席のテントを張れるようになります。リヤハッチとスライドドアの両方に虫よけスクリーンを装着することもできるので、虫の多い季節でも快適に過ごせるでしょう。そのほか、引き出し式のキッチンやオーディオ関連、ナビゲーションのアップグレードもオプションにより可能となっています。

テントを張らなくとも、この1台でキャンプが楽しめそうだ。

Weekenderは最高5,000ポンド(約2.2t)の牽引力を有し、何でも牽引しようとする北米ドライバーのニーズに応えています。また、Mercedes車でおなじみのさまざまな運転支援機能を搭載する予定です。これには、ドライバーの状態をモニタリングするドライバー監視システム、バックカメラ、横風の影響を相殺するクロスウィンドアシストが標準で含まれています。ホイールスピンを避けるESPや、アイドリングストップ機能も備わります。

そのほかのWeekenderの標準装備としては、ボディ一体型のテーブル、フロントガラスも含むプライバシーカーテン、そして2つのISOFIX(チャイルドシート接続機構)などがあります。タイヤの空気圧モニターは標準装備ですが、コネクティングサービスのMercedes PROコネクト(LTE内蔵)はオプションとなっています。電動スライドドア、車線維持支援システム、駐車支援システム、コンフォートサスペンションなどもオプション設定です。

ベースが商用バンということもあり、高い走行性能は期待できないかもしれないが、この車でコーナーを攻めるようなドライバーはいるまい。

基本的なパワートレーンはMtrisと同じで、2.0L 直列4気筒ターボエンジンを搭載し最高出力208馬力、最大トルク258lb-ft(350Nm)を発揮。7速AT の7G-TRONICとの組み合わせで、後輪駆動方式を採用しています。Mtrisにはディーゼルモデルも用意されていることから、近い将来Weekenderにも搭載されるかもしれません。

Mercedesによると、Weekenderの価格は年内の発売時期が近付いたら発表する予定であるとのこと。ベース車両のMetrisが35,580ドル(約390万円)で販売されていることから、キャンパー仕様のWeekenderはおそらく、70,000ドル(約768万円)程度になるのではないかと予想されます。

インテリアの高級感とMercedesのエンブレムを求めるなら検討の価値あり。

アウトドア派のドライバーにとって、キャンピングカーは憧れの車のひとつではないでしょうか。最近では軽自動車ベースの手ごろなキャンピングカーも登場するなど、選択肢が広がりつつあります。Weekenderが日本で正式に販売される可能性は低いかもしれませんが、もし中古車の輸入を選択肢に入れられるのであれば、モダンで上質なキャンピングカーとして十分に検討する価値はあります。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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