至高のW12気筒エンジン搭載 2022年モデルのベントレー「コンチネンタルGTスピード」発表

ベントレーのスポーツクーペの中でも最も刺激的なモデル、新型『コンチネンタルGTスピード』が、650馬力のパワーを携えて、影の中から姿を現しました。ベントレーは現在、電動化への完全な移行を進めており、新型は伝統的なW12エンジンを搭載した最後のコンチネンタルGTスピードとなるかもしれません。

ベントレーによれば、6.0L W12気筒エンジンは最高出力650ps、最大トルク900Nmを発揮し、0-97km/h加速は3.5秒で、最高速度は335km/hに達するといいます。標準モデルのコンチネンタルGTに搭載されている626馬力のW12エンジンをパワーアップするために、ベントレーはブースト圧をさらに高めました。

2022年モデル ベントレー『コンチネンタルGTスピード』

標準モデルと同様にクーペとコンバーチブルが用意されていますが、コンチネンタルGTスピードでは数々の変更が加えられています。例えば、新しい電子制御式の全輪操舵システム、標準装備のベントレー・ダイナミック・ライド、そして初めての電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャル(eLSD)などです。これらを組み合わせることで、縦方向の安定性が向上し、トリッキーな道路状況でもトラクションを確保します。

ドライブモードを「ベントレー(Bentley)」または「コンフォート(Comfort)」に切り替えると、トラクションが向上し、高速走行時の安定性が高まります。一方、「スポーツ(Sport)」にするとeLSDの設定を変更し、スロットルのオン/オフ調整、ステアリング・レスポンス、直進安定性を改善します。また、スポーツモードでは、リアアクスルへのパワー配分を増やし、後輪駆動に近い走りとなります。

2022年モデル ベントレー『コンチネンタルGTスピード』

その結果、ベントレーは「スポーツ・グランドツアラーの典型」と表現しています。コンチネンタルGTに期待されるようなゆったりとしたクルージング性能を持ちながら、道路状況に応じて発揮される圧倒的なスピードとコーナリング性能を秘めています。この相反する性格を両立させているのが、3室式アクティブ・エアサスペンション、48Vアクティブ・アンチロールコントロール・システム、アダプティブ・ダンピングです。

その一方で、ESCをオフにすることもできます。ESCの機能は「ダイナミック(Dynamic)」モードで低減されますが、サーキット走行時には完全に無効にすることも可能。オプションのカーボン・セラミック・ブレーキは、フロントに10ピストン、リアに4ピストンのキャリパーを備えており、約2,300kgの車両重量から32kg以上のバネ下重量を削減しながら、22インチの専用ホイールをより魅力的に見せます。

標準モデルとの違いはそれだけではありません。デュアルクラッチ式の8速トランスミッション(DCT)は、スポーツモードでは標準の2倍の速さでシフトアップするようになり、エキゾーストシステムもよりアグレッシブになっています。また、シフトアップするタイミングを遅く、シフトダウンでは早くなるようにチューニングして高回転を維持することで、ピークパワーを発揮する時間を最大化しました。

しかし、まったくの浪費家というわけではありません。巡航中に12本のシリンダーの半分を休止して燃費を改善する気筒休止システムを採用することで、ベントレー史上最も低燃費なW12エンジンとなりました。また、ベントレーは同じフォルクスワーゲン・グループ傘下の盟友であるポルシェと協力して合成燃料を開発しており、従来の燃料と混合したり、完全に置き換えたりすることで、CO2排出量の削減に貢献できると期待しています。

センターコンソールにはダークティントのアルミを採用

スタイリングについては、専用ホイールに加えて、新しいダークティント・ラジエーターグリルとそれにマッチしたバンパーグリル、さらにサイドには新しいスポーツシルが採用されています。また、ラジエーターにはダークティント・マトリックスを採用し、フロントフェンダーにはクロームの「Speed」バッジを装着。フューエルフィラーキャップとオイルフィラーキャップも専用デザインで、トレッドプレートにはイルミネーションが施されています。また、ブライトシルバーのホイールをダークティントまたはブラックグロスに変更することもできます。

インテリアでは、ベントレーならではの高品質なトリミングが施され、メイン15色、セカンダリー11色のツートーンカラー・オプションが用意されています。センターコンソールには、90年代半ばに発売された『コンチネンタルT』のダッシュボードを彷彿とさせるデザインを採用。シートとトリムにはダイヤモンド・イン・ダイヤモンドのキルティング、ヘッドレストには「Speed」の刺繍が施されます。

パネルはピアノブラックを標準とし、クラウンカット・ウォールナット、ダークステンドバー・ウォールナット、ダークフィドルバック・ユーカリに変更することも可能です。また、ダークバー・ウォールナット、クラウンカット・ウォールナット、コアの3種類のオープン・ポア仕様もオプションで用意されています。

新型コンチネンタルGTスピードの受注は、米国で23日より開始されます。価格は274,900ドル(3,000万円)からで、納車は2021年秋に開始される予定。また、コンバーチブルの価格は302,400ドル(3,302万円)からで、こちらの詳細は4月に発表される見込みです。

林 汰久也

愛知県在住29歳/ハウスメーカーの営業を経て、IT系ベンチャーのメディア事業に参画。2020年よりフリーのライターとして活動開始/愛車遍歴:マツダ『RX-8』⇒シトロエン『C4』⇒スバル『フォレスター』&ホンダ『クロスカブ50』/ゲームはPS派だが、最近ゲーミングPCが欲しいと思っている。

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