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Amazonが賃上げを5月中旬まで延長:対象は米国・カナダなどの欧米諸国

Amazonは米国時間4月24日に賃上げの延長を発表しました。2020年3月に発表した賃上げに関連する措置です。今回の賃上げで、倉庫勤務の従業員の時給が2ドルから15ドル(2020年4月26日現在 214円 ~ 1,611円)以上引き上げられることになりました。賃上げの延長は当初2020年4月下旬までの限定措置とされていましたが、5月中旬まで継続されます。

Amazon の賃上げ延長の背景

Amazonは発表を通じて、5月16日まで特別賃金を提供すると説明しています。また、Amazonは米国とカナダの両国を対象に、残業代が通常の2倍支給される特別期間も延長するそうです。賃上げは米国、英国、欧州の多くの国で適用されますが、残業手当は米国にある同社の倉庫のみを対象にしています。当初の発表では、アマゾンは今月末までは賃上げ分を提供し、5月9日までは残業代を2倍にするとしています。

こうした発表はCOVID-19の発生を考慮した、Amazonの全社的な取り組みの一環です。例を挙げると、2020年の初めに、Amazonは雇用拡大に取り組み、数万人の労働者を新たに雇い入れました。新型コロナウイルスの感染が全世界的に広がった現在、Amazonのサービス提供をする上で強力なサポートになったことは周知の事実です。

配送施策と従業員の雇用ポリシーの変更

Amazonは一部の「不要不急」の商品の配送速度を一時的に落とし、さらにAmazonパントリーの一時的な停止を発表しました。物流のリソースが限定される事態に備え、需要が集中する商品の配送に焦点を置いた施策でした。

倉庫や配送の作業の性質上、従業員が在宅で仕事を行うことは限りなく難しいでしょう。配送ポリシーの変更に並行し、Amazonは3月初旬に、一部の従業員の勤怠規定を緩和すると発表しました。ウイルスの影響で出勤できなかった従業員に対し、契約を即座に解除することなく、ペナルティなしで一時的な自宅待機を選択できるようになったのです。さらに、感染が確認された従業員には最大2週間の有給休暇が付与されるようになりました。

未曾有の事態に直面する我々にとって、この巨大なECサイトは生活インフラも同然です。インフラの維持には人件費だけでも莫大なコストがかかります。当然の成り行きとして、Amazonは従業員の給与と福利厚生のコスト増を負担しなければなりません。その額は5億ドル以上(約537億円 2020年4月26日現在)になる見込みと言われています。今後のCOVID-19の状況によってはさらなる追加施策も見込まれますので、引き続き注目です。