米Alphabet傘下の自動運転開発会社Waymoは、第5世代の「Waymo Driver」システムを公開し、自動運転車に関する最新技術の詳細を明らかにしました。同社によると、Waymo Driverの最新バージョンは、Jaguarの電気自動車「I-Paces」を使用して、サンフランシスコのベイエリアで数カ月前から稼働しているとのことです。
Waymo Driverはハードウェアとソフトウェアを組み合わせたもので、車両の自律走行を可能にします。同社によると、「1種類のセンサーだけでは、車の周りの環境を深く認識・理解することはできない」といいます。自動運転車は、複雑な環境を監視できる多くのセンサーを備えた「単一の統合システム」によって成り立っています。
第5世代のWaymo Driverは、ライダー(LiDAR)、カメラ、レーダーを備えており、車両の近くや死角にある物体を監視するための新しい周辺環境計測システムを構築します。Waymoによると、同社の360度ビジョンシステムと長距離カメラはさらに遠くまで監視することができ、1,600フィート(約487m)以上離れた歩行者を認識可能です。
カメラはライダーと連動して360度全方位を監視し、周囲984フィート(約300m)にある物体の距離と大きさを測定できます。新しいライダーシステムとペリメーターライダーは、道路の瓦礫、開いた車のドア、自転車など、近距離・遠距離にある障害物を検出します。
レーダーがこれらセンサー類を補助し、たとえ雪や雨、霧といった厳しい気象条件でも、近くの物体の速度を即座に感知して測定することができます。Waymoによると、第5世代Waymo Driverは、自動運転車向けに作られた史上初の画像レーダーシステムを特徴としており、同社が言うところの「比類なき解像度、距離、視野」を誇ります。
Googleの兄弟会社に当たるWaymoは、豊富な資金力を武器に開発を推し進めており、アリゾナ州フェニックスではセーフティードライバーが搭乗しない完全無人の自動運転タクシーを運行するなど、公道での実績も順調に積み重ねています。対してGM傘下のCruiseも自社開発の自動運転ポッドを発表するなど、北米での開発競争は激化の様相を呈しています。