総合家電メーカーのシャオミは、新たに電気自動車(EV)の事業を立ち上げると発表しました。シャオミの創業者であり会長兼CEOのレイ・ジュンは、約14億6,000万ドルを投じて子会社を設立するとともに、同事業のCEOに就任することを明らかにしました。
レイ・ジュンは3月30日、「スマートなEVは、今後10年間で最大のビジネスチャンスの1つであり、スマートな生活には欠かせない要素です。スマートなAIoTエコシステムを拡大し、革新的な技術によって世界中の人々により良い生活を享受してもらうという当社の使命を果たす上で、この事業への参入は自然な選択です」と述べています。
主にスマートフォンで知られるシャオミですが、実際には非常に多様な市場に進出しています。テレビ、空気清浄機、掃除機、プロジェクターなど、さまざまなコネクテッド・ホーム・デバイスを展開しており、160億ドル(1兆7,000億円)近い現金留保を持つとされています。
シャオミは、新たなEV事業に約100億ドル(1兆円1,000億円)の投資を見込んでいます。CEOのレイ・ジュンは従業員に宛てた社内文書の中で、シャオミの「ハードウェアベースのインターネットサービスのビジネスモデルに対する理解」、「ソフトウェアとハードウェアの統合経験」、「既存の幅広いスマートエコシステム」などの要素が、新事業での優位性につながるはずだと主張しています。レオ・ジュンはまた、高速充電やセンサー技術の開発などを推進してきた同社の「数々のコア技術」にも言及しました。
しかし、自動車業界には、テスラに続いてEVで一旗揚げようとする新興企業が多く存在しますが、事業に失敗した企業も数しれず。スマホやタブレット、テレビなどの家電製品を設計・製造するのと、自動車を製造するのとでは、複雑さが格段に違います。
そう考えると、経験豊富な他社との提携が最も合理的な方法であることは間違いありません。現段階では詳細不明ですが、アップルも自社の自動車開発計画「プロジェクト・タイタン」において、この戦略を採用していたと考えられています。
レイ・ジュンは、次のように語っています。「この決断は、パートナー全員で何度も検討した上で下したものであり、これはわたしの人生で最後の大規模な起業プロジェクトになるでしょう。わたしは自分の個人的な評価のすべてを賭けて、スマートEVの未来のために戦います」