ベトナムの新興EVメーカーであるビンファスト(VinFast)は、3台の新型EVを発表しました。Cセグメントの小型SUV『VF31』、Dセグメントの中型SUV『VF32』、Eセグメントの大型SUV『VF33』のうち、2台が欧州と北米市場に投入されます。
ビンファストは2018年のパリモーターショーで、セダン『Lux A2.0』とSUV『SA2.0』を公開し、ひそかに話題を集めました。3年経った今、ビンファストは内燃機関車から完全電動モデルへと移行しています。
最初の2台がBMWの『5シリーズ(F10)』とSUV『X5(F15)』をベースにしていたのに対し、今回発表された3台のEVは一から新開発されました。まず、VF31 は、1基の電気モーターと42kWのバッテリーを搭載した小型の電動SUVで、航続距離は300kmとされています。ベトナムでは2021年5月から販売され、納車開始は11月中旬を予定。
注目は、北米に導入されるVF32とVF33です。VF32は、テスラ『モデルY』やフォルクスワーゲン『ID.4』、ヒュンダイ『アイオニック5』に対抗する中型の電動SUV。モデルYよりもホイールベースがやや短く、1基または2基の電気モーターを搭載します。ビンファストによると、90kWhのバッテリーを搭載し、最高出力は400馬力に達するといいます。
VF33は、2基の電気モーターを搭載したより大型の電動SUVです。106kWhのバッテリーを採用し、1回の充電で最大550kmの走行が可能とされています。15.4インチのインフォテインメントスクリーン、パノラミックガラスルーフ、LEDマトリックスヘッドライトを標準装備します。
ビンファストによると、VF32とVF33の注文受付は2021年11月に米国、カナダ、欧州で開始される予定だといいます。納車開始は2022年6月になると予想されます。
VF32とVF33には、14個のカメラ、19個の360度センサー、LiDARセンサーが採用され、レベル3の自動運転機能に対応するとのこと。また、3台すべて欧州NCAPと米NHTSAの安全評価で最高水準を満たしています。
ビンファストの主要組立工場はベトナムのハイフォンにあり、最近ではGM傘下のホールデンの試験場跡地を購入しました。また、ドイツと米国にも研究開発部門を持っています。