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横転したトラックにテスラが衝突:回避システムに不具合の可能性

台湾で6月1日、テスラの半自動運転機能「オートパイロット」をオンにしたクルマが、高速道路で横転したトラックに衝突するという事故が起きました。自動運転技術については非常に多くのメーカーが取り組んでいるものの、現時点ではあくまで「ドライバー補助」に過ぎません。オートパイロット使用中のテスラ車の事故は、これまでにも複数報告されていますが、今回の事故はそれらと少し異なる点があります。

テスラはこれまでにも、オートパイロットシステムに運転を任せている間もドライバーは道路から目を離してはいけない、と公式に伝えてきました。“自動運転”などと誤解を生むようなシステム名称ではあるものの、ドライバーはいつでも手動で制御できるようスタンバイしておく必要があります。

今回、事故を起こしたテスラ車のドライバーは、台湾の国道1号線で横転したトラックからオートパイロットが回避できないことがわかった時に「ブレーキを踏んだ」と主張しています。この主張は、タイヤから煙が出ている映像によって裏付けられています。当時、車両は時速110km/hで走行していたため、衝突を回避するには遅すぎたのかもしれません。幸いなことに、ドライバーは生き残って自分の主張を伝えることができました。

現時点では事故原因に関する詳しい報告はありません。しかし、そもそもテスラのオートパイロットは、横転したトラックを回避すべきでした。事故直前、障害物を正しく認識できていなかった可能性があり、だとすればソフトウェアに致命的な欠陥があるということになります。

先述の通り、オートパイロット中の事故は過去にも複数件発生しています。今回の台湾での事故が、これまでのケースと少し違うのは、ドライバーが「完全に不注意ではなかった」という証拠があることです。さらに不可解なのは、トラックのような大きな障害物に対し、「回避システムが作動しなかった」ということ。もしオートパイロットに不具合が生じていたのであれば、悲惨な事故が繰り返される前に修正されることを願います。