1997年にフェリックス・バウムガルトナーとマーティン・フレイが設立したウルべルク(URWERK)は、ファッション性が高く、スタイルと機能性において比類のないデザインウォッチとして知られています。スイスの高級時計メーカーである同社は、昨年発売した 「UR-111C」 の最新バージョンを発表しました。
シリンダーの分針、300度回転で60分
長針や短針、円状に配置された数字、といった一般的な時計の概念を打ち破る強烈な個性。「UR-111C TT (Two-Tone)」は、ウルべルクのスペシャルプロジェクトの商品ラインの一つで、機械式時計の「UR-111C」シリーズの新作です。これまで発表した「ブラック」「アイアン」「ガンメタル」と同様に、SF映画に登場しそうな挑戦的なデザインが目を惹きます。
文字盤の下部には、三つの小窓が並んでいます。左側の小窓は、1時間ごとに数字が切り替わるジャンピングアワー。真ん中の横長の小窓は、斜度30度の線上に時間の目盛りがふられ、その後ろで分針が描かれたシリンダーが回転することで「分」を知らせます。シリンダーは60分で300度回転する設計で、60分経つとスプリングが解除され、更に60度ジャンプするようにして回転し、元のスタート位置に戻ります。右側の小窓は、真ん中のシリンダーと連動するように回転し、より細かい目盛りで正確な「分」を見やすく表示します。三つの小窓を見ていると、まるでシリンダーが無限に、そしてシームレスに回転しているかのような心地良い錯覚が生じます。
文字盤上部の小窓には「秒」が表示されます。アラビア数字をのせた二つの歯車が、5秒ごとに噛み合うようにして「カチカチ……」と秒単位で進みます。
ケース中央部にはローラー型の斬新な竜頭(りゅうず)があり、回すことで時計の自動巻きを助けます。また、ケース右側面のレバーを引いてローラーを回すと、時刻合わせも可能になります。これは一般的な時計のスタイルから逸脱した冒険的でユニークなシステムです。
ケースサイズは縦46mm×横42mm、ケース厚は15mm。ガラス面は反射防止コーティングが施されたサファイヤクリスタルを使用しています。
- 自動巻き
- 37石
- 毎時28,800振動(4Hz)
- パワーリザーブ:48時間
- 耐水圧:3ATM/100ft/30mまで
「UR-111C TT」は、世界でわずか25本の限定生産です。もし手に入れることができたなら、確実に自慢できる特別な一本になるでしょう。ただ、価格は136,000ドル(日本円で約1,483万円)と高額。購入はファッショナブルな富裕層に限られそうです。しかし、このような職人技とアイディアが詰まった機械式時計は、見ているだけでも楽しいものです。気になる人はHPでチェックしてみてはいかがでしょうか。