オーストラリアの総合映像機器メーカー「ブラックマジックデザイン」は、ストリーミング機能を内蔵した新しいライブビデオスイッチャー「ATEM Mini Pro」を発表しました。ATEM Mini Proは、既存の「ATEM Mini」をベースにしており、録画とストリーミングの両方の新機能を追加しています。
四つのHDMI入力、複数画面を切り替え
YouTubeのライブ配信やSkypeを使ったプレゼン、教育ビデオなどの収録時、複数のカメラを切り替えたり、PC接続でパワーポイントのスライドを見せたりできるスイッチャーを使えば、プロ仕様の動画配信が可能になります。
ATEM Mini Proの見た目は既存の「ATEM Mini」とよく似ています。フロントパネルには、ソースの選択、ビデオエフェクトやトランジションの選択、オーディオミキシングのためのボタンが大きく配置されています。Proには、出力選択ボタンに加えて、録画とストリーミングのコントロールボタンがあります。
接続機器に応じて、カメラ、プログラム、マルチビュー間でビデオ出力を切り替えられます。リアパネルには、カメラとコンピュータ用の四つのHDMI入力、プログラムビデオ用のHDMIのAUX出力、予備のマイク入力。また、ウェブカメラ出力用のUSBポートもあります。
コンピューターに接続すると、通常のウェブカメラのソースとして表示されるため、ほとんどのビデオソフトウェアが、ATEM Mini Proを認識します。最大1080pのフルHDがサポートされており、YouTubeやFacebookのライブ配信のほか、ウェブ会議サービスで話題の「Zoom(ズーム)」、ライブ配信の「Twitch(ツイッチ)」「Periscope(ペリスコープ)」などのアプリに取り込むことができます。
イーサネットポートで直接ストリーミング
イーサネットポート(LANポート)を介することでYouTube Liveなどに直接ストリーミングが可能になります。「ATEM Software Control」(製品同梱のPC用ソフトウェア)には、配信のセットアップ、ステータスを表示するパレットがあり、マルチビューにも配信ステータスが表示されます。データレートインジケーターは、ビデオフォーマットに必要なインターネット速度を表示します。
エフェクトとトランジションは、ディゾルブ、ディップ・トゥ・カラー、DVEスクイーズ、DVEプッシュなどのオプションがあり、ボタンを押すだけで起動できます。タイトルやグラフィックの保存も可能で、ビデオソースは自動的に再同期されるので、規格の違いによる混乱もありません。ストリーミングだけでなく、ビデオのコピーをUSBドライブに保存してバックアップやエクスポートすることも可能です。
Blackmagic ATEM Mini Proは現在販売中で、価格は67,980円(税抜)です。
Blackmagic Camera 6.9アップデート
また今回、新しいATEM Mini Proのパートナーとして、Blackmagic Pocket Cinema Camera 4Kおよび6Kモデルがアップデートされ、スタジオカメラ機能が追加されました。ATEM Mini またはATEM Mini Proを HDMI接続すると、映像とコントロールの送受信が可能になります。最大4台まで接続でき、ストリーミングカメラとして使用することができます。
記録ライトはタリーライト(表示灯)になり、現在どのカメラでオンエアしているかを確認することができます。ATEM Software Controlのカメラページは、リモートで管理するためのカメラコントロールユニット(CCU)スタイルのインターフェイスを取得。アイリス(絞り)や黒レベルの設定、色調、フォーカス、ゲイン、シャッタースピードの微調整ができます。また、カメラ内でBlackmagic RAWを同時にISO記録し、その後の編集に役立てることも可能です。
Blackmagic Camera 6.9アップデートは、現在ブラックマジックデザインのWebサイトからダウンロードが可能です。
HyperDeck v7.1アップデート
そして、今回のブラックマジックの最後のニュースは、放送用デッキ「HyperDeck Studio Mini」の新しいソフトウェアアップデートです。「HyperDeck v7.1」では、インターレースHDフォーマットのための新しいH.264コーデックが追加され、YouTubeと直接互換性のある新しいAACオーディオコーデックも追加されています。
イーサネット転送も高速化され、最大110MB/秒をサポートしています。個々のファイルは3時間以上の長尺収録が可能です。既存のSD、720p、および1080pの記録のサポートに加え、H.264で1080i HDのインターレース録画があります。デュアルメディアカードスロットを搭載したHyperDeck Studio Miniは、カード容量がいっぱいになると自動的に次のカードへ録画を継続し、一時停止や映像の消失はありません。予備カードは録画中でも抜き差しが出来るので、カードがある限り録画を続けることができます。
HyperDeck v7.1アップデートは現在、ブラックマジックデザインのWebサイトからダウンロードができます。