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Firefoxが広告ブロックのサブスクに対応。ベータ版がスタート

2019年のインターネット広告費は、初めてテレビ広告費を超えました。まさに、広告業界の大きな変換点だったわけですが、Firfoxを提供するMozillaは広告のあり方を大きく変える新しい取り組みを行っています。

広告のないブラウザ体験を低価格で

従来のFirefoxは、もともと広告のブロックに適したブラウザとして人気を集めていました。しかし、広告やサードパーティ製トラッキングクッキーをブロックすることで問題を解決していましたが、残念ながら、合法的なサイトからも収入源を奪っていました。そこで、Scrollと提携して、広告のない体験を低価格で提供する取り組みを始めています。

Scrollは、もともと提携しているWebサイトの広告を消せるというサービス。Scrollに月額の費用を払うことで、特定のWebメディアから広告がなくなります。Firefoxは、すでにプライバシーを侵害する可能性のある広告やクッキーの多くをブロックしていますが、Scrollの機能を持つことで、パブリッシャーにお金が流れ、さらに購読者には広告が表示されなくなります。

有料化と広告とのトレードオフ

すでにお察しの通り、Scrollはパブリッシャーに支払いをしなければならないため、無料ではありません。購読料は月4.99ドル、MozillaとScrollは新規購読者を対象に、最初の6ヶ月間は2.49ドルの50%割引を提供しています。現在はアメリカでベータ版が提供されています。

こうした広告を表示させない代わりに、有料にするという取り組みは新しいものではありません。最近では、SpotifyやYouTubeなどが、同じ取り組みを始めています。コンテンツの有料化を通して、ユーザーは新しい体験を得ることができるこうした取り組み。今後の広告業界を、メインストリームになる可能性がありそうです。