スマートフォンの高性能カメラの躍進は目を見張るものがありますが、カメラ市場では「ポラロイド」タイプの非デジタルカメラが予想外の人気を得ています。富士フイルムは、「チェキ」の愛称で親しまれているインスタントカメラ「instax(インスタックス)」シリーズの新しいエントリーモデル「instax mini 11」を、4月上旬に発売すると発表しました。
オート露光機能、室内や暗い場所でもキレイ
1998年に発売開始した富士フイルムの「instax mini」は、カードサイズの専用フィルムを使用するインスタントカメラで、現在までに30を超えるモデルを発表しています。デジタルカメラやカメラ付き携帯の全盛期に、撮ったその場で共有できることや、フレームの余白部分に文字や絵が書けること、フィルム独特の画質などが若い女性を中心に支持を集め、近年は韓国や中国といったアジアをはじめ、欧州でも人気の商品になっています。
インスタントカメラは、高画質・高性能のデジタルカメラが主流の今の時代に、素朴な写りやデザイン性、シンプルさに魅力を感じる多くの写真愛好家の心を捉えました。ただ、このようなカメラは、撮影の設定をほとんど制御できない欠点があります。ある意味シンプルで良いのですが、完璧な写真を撮るためにはもう少し写真撮影のノウハウが必要です。しかし、今回発売する「instax mini 11」はシャッターボタンを押した瞬間に周囲の光を感知する「オート露光機能」が搭載されているため、暗い場所でも被写体や背景が適正な明るさに調整されて、きれいな写真が撮れます。
自撮りも快適、ファッション性高く
スマートフォンのようにインカメラがないインスタントカメラでは、通常自撮りは難しくなるのですが、「instax mini 11」ではちょっと変わった方法で快適にフレーミングができます。レンズ先端部を引き出して「セルフィモード」を有効にすると、レンズの横にある小さなミラーで写る範囲が確認できるようになります。このモードはフレームいっぱいに大きく撮影できるため、接写にも適しています。接写は、30cmから50cm離れた被写体に対応できますが、ファインダーと写真に多少のズレが生じるため注意が必要です。
instaxシリーズのカメラデザインは常に、プロ用カメラの外観の一部を維持しながら、「カワイイ」に重きを置いてきましたが、今回は特にファッション性にもこだわっています。「instax mini 11」では、好みに合わせてシャッターボタンが選べます。カメラ本体の色に合わせた宝石モチーフのボタンと、暗闇で光る素材を用いたボタンの計2種が商品に同梱されています。
本体の色は全5種類で、パステル調の淡い色調が特徴的です。
- Blush Pink(ブラッシュピンク)
- Sky Blue(スカイブルー)
- Charcoal Gray(チャコールグレー)
- Ice White(アイスホワイト)
- Lilac Purple(ライラックパープル)
発売は4月中旬予定。
また、instax miniシリーズで使えるフィルム「BLUE MARBLE(ブルーマーブル)」と、スクエア写真が撮れるinstax SQUAREシリーズで使えるフィルム「WHITE MARBLE(ホワイトマーブル)」も新しく発売予定です。いずれもフレームが大理石調のデザインになっており、写真に微妙なスパイスを加えることができます。