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Airbusの新型旅客機「MAVERIC」はエネルギー効率を20%も改善する

航空機メーカーAIRBUSが開発している「MAVERIC」が話題になっています。

ブレンドウィングボディまたはBWBと呼ばれる特殊な形の機体を特徴としたこの機体は、従来の飛行機のように、羽が横に大きく伸びたフォルムとは異なります。どちらかといえば、ステルス戦闘機に似た見た目です。

これが航空機だなんて、現段階では信じがたいものがありますが、まだまだ開発段階。すぐに乗れるわけではありませんが、実証実験は進んでいるようですよ。

小さなモデル機は実際に飛ばしている

現在、MAVERICの情報は徐々に出てきていますが、昨年の時点でモデル機を実際に飛ばしていました。あくまでもモデル機ですので、長さ2メートル、幅3.2メートルの小型機ですが、それでも実現性の高さが垣間見れます。

その様子はYouTubeでチェックできます。まるで大人の夢が詰まった大型のプラモデルのよう。機内のインテリアに至っても、未来感の詰まったデザインとなっています。

ちなみに、MAVERICとは、「Model Aircraft for Validation and Experimentation of Robust Innovative Controls」の頭文字をとった名前で、強固で革新な制御の検証と実験のためのモデル航空機という意味。「あくまでもモデル機」ということを強調した名前ですが、将来MAVERICが大型化され、私たちが搭乗できる日もいずれ来ることでしょう。

私たちがMAVERICに期待できること

ここまでは世にも珍しい新型飛行機の紹介でしたが、フォルムが変わることでどのようなメリットがあるのでしょうか?

1つは、機体の内部スペースが広くなること。想像してみてください。従来の飛行機はまるでチューブのように機内が縦長で、横幅はほとんどありません。機内の通路が狭い原因は、この機体の形にあります。しかし、MAVERICはご覧の通り、機体が横に長く明らかにスペースが広くなっていることが伺えます。これは搭乗する私たちにとっても大きなメリットとなるでしょう。

さらに、Airbusによれば、エネルギー効率が20%も格段に高くなるとのこと。数年前、強豪であるBoeing(ボーイング)が開発した中型旅客機「B787」は、機体にカーボンを使うことで軽量化し、エネルギー効率を改善しましたが、それとは比べ物にならないほどの改善になるでしょう。こうしていると、Boeingもウカウカしていられないでしょうね。

少ない燃料で遠くまで飛べるのであれば、得をするのは私たち搭乗者です。フライト中に燃料の補給が不要になることで直行便が増え、さらにフライトの金額も安くなるでしょう。

空の旅がより快適になる未来、すぐにきてほしいものですね。