2009年創業、米サンフランシスコに本社を置くSTRAVA(ストラバ)は、アスリートのためのソーシャルネットワークサービスを提供しています。日本には2018年に本格参入し、徐々に認知度を上げていますが、世界では既に195カ国以上で利用されており、現在の登録者数は5,000万人を突破しています。そして今月、STRAVAはついにApple WatchのワークアウトAppとのアクティビティデータ連携をスタートさせました。
「STRAVA」って何ができるの?
「STRAVA」は、マラソンやウォーキング、サイクリングといった長距離・持久力スポーツの愛好者から絶大な支持を得ているSNSです。ユーザー同士がつながり、アクティビティの共有をすることで、モチベーションを高めながら運動が楽しめます。主な機能は以下の通り。
- GPS機能で追跡、記録の分析・・・スマートフォンやスマートウォッチに搭載されるGPSを使って、地図上に走行軌跡を表示。時間や距離、速度、標高といった記録をつけることができます。
- コースの検索、作成・・・別のユーザーが作ったコースや人気のコースを検索することができます。他人と同じコースを走って競争したり、タイムの目安にしたりできます。自分でコースを作成することも。
- SNS機能・・・自分の記録やコースを公開し、コメントや写真などをつけて投稿ができます。コミュニティを作ったり、フォロワーの投稿に「kudos」ボタン(Facebookの「いいね!」と同様の機能)を押したりできます。
ダイレクトにデータ同期、よりシームレスに管理
スマートウォッチとの連携で利便性が高まるSTRAVAですが、これまでApple Watchのワークアウトapp(歩行・走行距離やペース、カロリーなどを自動的に計算できる標準アプリ)で記録したアクティビティは、ダイレクトに同期することができませんでした。STRAVAにデータを取り込むには、STRAVAのApple Watchアプリで記録を取るか、有料アプリの「Healthfit」を介してデータ連携をしなければならなかったのです。STRAVA はデータを自社サービス・アプリにとどめ、Appleのエコシステムとも距離をとることで独占的な優位性を考えていたのかもしれませんが、ユーザーはApple Watchとの連携のためのこうした手順に少なからず不便さを感じていたことでしょう。
今回のApple WatchのワークアウトAppとのアクティビティデータ連携は、非常に小さな、そして今更感のある変化ですが、SNSが様々なデバイスやアプリと相互接続できるのが当たり前の時代に、STRAVAが生き残る可能性を一つ高めたといえます。もちろん、他のフィットネスアプリのユーザーをいきなりSTRAVAに引き込むだけの変化ではありませんが、それが原因でユーザーが離れることはなくなりました。